はらぺこライターの旅人間です。徳島県の銘酒「鳴門鯛」で知られる本家松浦酒造は、江戸期より撫養(むや)街道沿いの要所として栄えてきた。創業から200年以上を経た今も現役の酒蔵として、この地の恵みを生かした伝統の日本酒づくりを続けている。

そして、いまや名物となった蔵元見学には、年間およそ5万人が訪れるという。そのうち約1万人は訪日外国人だそうだ。そんな同社が実施しているのが「酒蔵体験プログラム」だ。その内容について取材した。

本家松浦酒造の「酒蔵体験プログラム」とは

この体験は、「梅」「竹」「松」「極」の4タイプに分かれている。

「梅」は酒蔵歴史見学や酒ラベルの見方セミナーと試飲、「竹」は、梅プランに発酵タンクの見学(ASMR体験)が付く。そして「松」はフレンチ料理と鳴門鯛の日本酒とのマリアージュが楽しめ、最上位の「極」は、1泊2日を3回に分けて参加するスケジュールで、酒造り全般を体験できる本格的なプログラムとなる。日本酒の世界にどっぷり浸かりたい人には、まさにうってつけの内容といえる。

「梅」と「竹」のプランについて

今回の取材では、体験プログラムの一部を見せていただいたが、内容が多岐にわたるため、混乱を避けるべく「梅」と「竹」については別記事で紹介している。

<関連記事>

●「梅」酒蔵見学と酒セミナー&試飲
●「竹」梅プラン+発酵タンクの見学

そして今回の記事は、その上位にあたる「松」と「極」について紹介していきたい。

最上位「極」のプログラムとは?

まずは最上位の「極」について。こちらは合計6日間にわたって参加する、本格的な酒造り体験プログラムだ。およそ1カ月から2カ月の期間を通じて、1本のタンクの酒を仕込んでいく。

酒米の洗米や蒸米から始まり、麹づくり、酒母づくり、もろみの管理、櫂入れ、搾り、酒粕はがし、瓶詰め、火入れ、ラベル貼りまで。酒造りの全工程を、蔵人とともに体験できる内容となっている。

今回は、蒸し上がったばかりの米を室(むろ)へ運び込む工程など、普段はなかなか見られない場面を見学させていただいた。

まずは温度を確認しながら米をほぐし、平らに広げる。そこへ種麹(たねこうじ)を振りかけ、ビニールと布で包んで保温する。こうして麹づくりの第一歩が進んでいく。

このように、普段は立ち入れない作業場や麹室に入り、酒造りの裏側を間近で見ることができるのが、このプランの大きな魅力だ。

ちなみに、この「極」では、酒米の洗米や蒸米から始まり、麹づくり、酒母づくり、もろみの管理、櫂入れ、搾り、酒粕はがし、瓶詰め、火入れ、ラベル貼りまで。酒造りの全工程を蔵人とともに体験できる。初日に自ら洗い、蒸した米が発酵を経て、最終日には“自分の酒”として完成する。

使用するのは、低精白ならではの、米の甘みを感じられる純米酒造りを蔵人と一緒に体験しながら、美味しいお酒に仕上げられる。

さらに、毎回の夕食では蔵人も参加する懇親の場が設けられ、飲み比べや解説を交えながら、日本酒の奥深さに触れられるという。まさに、日本酒の世界に本気で浸りたい人のためのプランといえるだろう。

【松】蔵と美食を味わう日本酒マリアージュコース

そして「松」のコースには、鳴門海峡のすぐ近くにある徳島県の人気ホテル・アオアヲ ナルト リゾートの「貴賓室」で、フレンチ料理と鳴門鯛の日本酒とのマリアージュが楽しめる、1泊2食付きのプランなどがある。

ここでは、前菜、魚料理、肉料理とそれぞれの料理に合わせたペアリングが楽しめる。

例えて言うなら、ワインのペアリングを楽しむように、日本酒を料理とともにじっくり味わう時間だ。一流の料理に合わせ、歴史ある老舗酒造の酒をいただき、その背景や造りについての説明も受けられる。単に「飲む」体験ではなく、知る楽しみもある。

会場となるアオアヲ ナルト リゾートは、鳴門海峡を望む高台に建つリゾートホテル。客室はすべてオーシャンビューで、窓の外には海が広がる。地元食材を生かした料理、館内の温泉、阿波踊り体験など徳島らしいプログラムも用意されている。

ホテルの詳細は「公式サイト(外部リンク)」を参照されたい。

最後に、今回の取材を通して、私は日本酒に対する価値観が少し変わった。

というのも、私はそれほどアルコールに強い体質ではなく、たくさんは飲めない。「もっと強ければいいのに」と思うことも少なくなかった。日本酒は酒宴の場で豪快に飲むもの、というイメージをどこかで持っていたのかもしれない。

しかし今回、「松」のプランでは料理とともにゆっくり味わう日本酒の魅力を知り、酒蔵見学ではその奥深さにも触れることができた。量ではなく、どう味わうか。そこに面白さがあるのだと気づかされた。

改めて、日本にはこんなにも誇れる文化があるのだと実感した取材だった。興味のある方は、ぜひチェックしてみてほしい。

取材協力:本家松浦酒造・アオアヲ ナルト リゾート
今回は取材のために酒造見学や体験や料理の提供などいただきました。本記事はガイドラインに基づき、公平中立に制作しています。

<最後に…>

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