<ミラノ・コルティナオリンピック(五輪):フィギュアスケート>◇男子ショートプログラム(SP)◇10日(日本時間11日)◇ミラノ・アイススケートアリーナ
【ミラノ=木下淳】開幕10日前にショートプログラム(SP)曲が著作権問題で使用できなくなったとして、騒動になっていたトマスリョレンク・グアリノサバテ(26)が、映画「ミニオンズ」のテーマ曲を夢の五輪で演じた。
衣装も、黄色のシャツにデニムのオーバーオールが特例で認められ、世界に発信。「子供の頃から好きで、ママからも『アイデアをコーチに伝えな』と言われて2年前から準備を進めてきたんだ、このミニオンズは。五輪に持ってこられて披露できてうれしい」と喜んだ。
騒動を巡っては2日、本人がインスタグラムのストーリーズに苦境を投稿。国際スケート連盟(ISU)から1月27日に「SP曲の使用を許可できなくなった」と通達があったことを明かしていた。
翌3日になって、国際スケート連盟(ISU)を含む関係各所が解決へ動き、権利を持つ米ユニバーサル・ピクチャーズも譲歩。6日までに、SP曲を構成する4つの楽曲が全て承認されていた。
5日の練習後、日刊スポーツなどの取材に応じ、事の真相を打ち明けていた。
「ライセンスを購入し、手続きが完了した後、ユニバーサルから詳細情報の追加要求メールが届いたんです。衣装は? プログラム内容は? 全て明示せよ、と。全てを送ると、すぐ返答がありました。却下します、と。衣装も同様。ロゴがなくても『ミニオン』と分かるから」
一時は「もし『100万ドル(約1億5500万円)の罰金を払え』と言われたりしたら、払えませんから…」と諦め、昨季のビー・ジーズの『サタデー・ナイト・フィーバー』に戻して乗り切ることにした。今季はフリー曲もビー・ジーズのため、異例の2回とも同じ曲にはなってしまうが、背に腹は代えられなかった。
この段階でSNSに投稿したことで、潮目が激変した。ファンの反応や各国の報道を受け、ユニバーサルが特例で認可。衣装も着用できる見通しになった。
演技自体は、冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)で着氷が乱れるなどして69・80点。「少し緊張して最初にミスが出てしまったけど、あとはルーティンをしっかり。ジャンプだけは集中しつつ、楽しめた」と夢の世界を満喫し、コミカルに舞った。
グアリノサバテは、同国カタルーニャ出身のスケーター。ハビエル・フェルナンデスさんの引退後、スペイン選手権で6連覇するなど国内最強を誇った。世界選手権は25年の20位が最高だが、満を持して「ミニオンズ」に成り切った五輪のSPで同等の結果を残せれば、上位24選手による13日のフリー(日本時間14日)に進出できる。「今は待つだけさ」とウインクして取材エリアを後にした。
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