米空軍の早期警戒管制機「E-3」のドーム(1月13日嘉手納基地で、米空軍のサイトより)
戦争の天王山で実行されるべき空中機動作戦
2022年2月24日未明、ロシア軍はウクライナ侵攻開始と同時に、全面侵攻の一つとして、ウクライナの首都キーウ近郊の飛行場に空挺・ヘリボーン作戦(空中機動作戦)を実施した。
一方、2026年1月3日未明、米軍がベネズエラにヘリボーン作戦主体の奇襲攻撃を行った。
ロシアの狙いは、キーウ近郊の空港を占拠して、キーウへの地上攻撃と占拠達成に大きく寄与することだった。
これに対し米国は、ベネズエラ大統領を拘束・連行することであった。
この2つの事例から分かるのは、戦争の最大局面で実行される空中機動作戦は、成功すれば大戦果を得られる一方、失敗すれば戦局を急速に悪化させるということである。
ロシアと米国の作戦は規模が異なり、ロシアは空挺とヘリボーン作戦を併用し、米国はヘリボーン主体の作戦であった。
結果は、ロシアの作戦は実行部隊の降着までは成功したが、当初の空挺部隊は反撃で大きな損耗を被り、当初想定された「空輸による増援・重装備投入(エアブリッジ)」は頓挫した。
一方、米国はベネズエラの大統領を捕らえて米国に連れ去るという作戦の目的を達成した。
両国の作戦は、目的・規模・単独作戦か地上作戦との提携か、などの違いがあり、この2つの作戦を比較分析するのは無理な面も多い。
しかし、ロシア軍の真の実力がこの2つの作戦を比較することによって見えてくる面も少なからずある。
そこで、両軍の作戦能力は何が異なっていたのか、どこに差があったのかという点に焦点を当てて考察してみたい。
特に、ロシアのヘリボーン作戦失敗の理由が、そのままロシアによるウクライナ侵攻全体にも当てはまる気がしてならない。
今後、ロシアによるウクライナ侵攻継続に限界が見えてくるのか、そのヒントもここにあるように思える。
