
「にいがたヘルスケアEBPM人材育成研修」最終発表会、発表の様子
新潟県は2月6日、「にいがたヘルスケアEBPM人材育成研修」の最終発表会を開いた。約9カ月間の研修を受けた県や市町村の職員が、県内の健康課題についての分析と、それに対する施策案を提示した。
「にいがたヘルスケアEBPM人材育成研修」は、県の医療や福祉分野の課題に対し、エビデンスに基づく政策立案(EBPM)ができる人材の育成を目指して実施しているもの。県や県内市町村の職員計32人が参加し、約9カ月間にわたって研修を実施。EBPM的思考や医療現場の実践知などについての講義を受けながら、6チームに分かれて県民の健康課題の分析や、それに対する施策案の検討を行ってきた。

「にいがたヘルスケアEBPM人材育成研修」最終発表会、発表の様子
2月6日には、その最終発表会が新潟市中央区内で開催され、「脳血管疾患と心疾患の相関関係の分析を通じた予防施策」や「薬局の偏在から生じる課題への対応」など、各チームが施策案を発表した。
脳血管疾患の傾向を分析したグループは、新潟県は脳血管疾患の患者数に対して年齢調整死亡率が高いことを指摘。高血圧の患者が多いことにも着目し、塩分・飲酒過多が高血圧、さらに脳血管疾患へ繋がっていると考察し、働き盛り世代を対象とした減塩・減酒施策案を発表した。各グループともに、発表内では施策案の実施体制や課題など、具体的な部分まで詰めた。
県福祉保健部高齢福祉保健課介護サービス係の渡邊雄太主任は、県内における薬局の偏在の課題について発表したグループに所属。今回の研修を経て「データの見方や使い方について、とても大きな学びがあった。同じデータでも見方を変えれば別の理屈建てができる一方で、逆に理屈を崩すこともできる。データとして使う立場でも、見る立場であっても注意しなければいけないということに気づかされた」と話す。
そして、「今回学んだことは、常日頃から活かせると思う。上司への説明の場でも、根拠を持ってストーリー軸を立てた説明の仕方をすることで、よりスムーズに理解してもらえる」と語った。

県福祉保健部の中村洋心部長

アイセックの木村大地代表取締役CEO
各グループの発表を経て、県福祉保健部の中村洋心部長は「9月の中間発表から皆さん爆発的に成長しており、この事業をやってよかったと感じている」とコメント。さらに、「自分の頭の中では分かったつもりになっているものを、しっかり人に伝えるためにストーリーに仕立て、(他人との理解の)ギャップを埋めることが大切。文章と文章の間には必ず繋がりがあり、論理があり、それを言わないと人には意図が伝わらない。専門家同士なら言わなくても通じるが、行政の仕事は世の中に伝えなければいけないし、そうした姿勢でなければ良いものはできない」と話し、今回の研修が日々の業務や実際の政策に活かされることを期待した。
運営を担う株式会社アイセック(新潟市中央区)の木村大地代表取締役CEOは「今回の研修では、EBPMを知識として学ぶだけでなく、実際に経験してもらうことを重視した。座学だけでは定着率は低いが、経験し、さらに人に教えることで理解は深まる。ぜひチームで復習の場を設け、さらに課内に共有してほしい」と話した。

【関連記事】
県職員ら30人が挑む、データに基づく政策づくり 「にいがたヘルスケアEBPM人材育成研修」中間発表
