2025年1月に開催した東京大会の様子
全国旅行業協会(ANTA、近藤幸二会長)は2月11日、奈良県の観光振興と国内観光の活性化を図るイベント「第20回国内観光活性化フォーラムinなら」を、なら100年会館(奈良市)で開催する。今回の大会スローガンは、「建国の地 奈良からふたたび」。“日本の始まりの地”奈良の原点を見いだし、深掘りし、故郷を再び元気にする―という思いが込められている。歴史的遺産だけでなく、文化や自然、食、その他地場産業などの魅力を、基調講演やパネルディスカッションなどを通して発信する。
12年ぶりに関西で開催 産学連携ツアー発表も
「国内観光活性化フォーラム」は、ANTA主催、株式会社全旅共催の一大観光イベント。地域密着の旅行業者・全国約5400社の会員企業の連携を通じて、全国支部組織の結束の強化、各地域の観光資源の発掘と新しい観光商品などの開発、地場産業の育成などを目的に開催されている。20回目となる今大会は、12年ぶりに関西地方で開催。1500人の参加を目標に設定している。
大会は午前10時に開場。50を超える観光関連のブースも出展し、10時30分から見学可能だ。午後0時半から行われるオープニングアトラクションで、「倭―YAMATO」による和太鼓の演奏が披露された後、開会式が行われる。
開会式では、地元実行員会の中島昭人委員長(ANTA奈良県支部長)が開会宣言を、ANTAの近藤幸二会長が主催者あいさつで登壇。観光庁の村田茂樹長官も来賓あいさつをするほか、奈良県知事の山下真氏、奈良市長の仲川げん氏も駆け付け、地元歓迎メッセージを披露する予定だ。
基調講演では、春日大社の元権宮司で、奈良県立大学客員教授の岡本彰夫氏が登壇。「大和の旅 記紀に載らない大和の神話を訪ねて」をテーマに講演する。
その後は「東京都送客キャンペーン」の優秀会員表彰が行われるほか、今回初の取り組みとして、観光を学ぶ奈良女子大学の学生と、奈良県旅行業協会が連携して企画した着地型ツアー企画の学生発表も行われる。
午後3時40分から行われるパネルディスカッションでは、県内の観光業を支える各業種のキーマンが多数登壇。それぞれの視点で奈良の魅力を語り合う、今大会の注目イベントとなっている。
終盤には、「奈良県送客キャンペーン」の提案も行われる。同キャンペーンは、ANTA会員の旅行業者5400社のスケールメリットとネットワークを生かし、奈良県への送客を支援するもの。奈良市に代表される県北部だけでなく、文化や自然、食、歴史、などの魅力が豊富な県中部・南部の観光魅力を発掘する機会を提供する。

2025年1月に開催した東京大会の様子
主催者あいさつ ANTA近藤会長
県内各地を堪能、未知を発見 日本の原点から「観光立国」へ
「第20回 国内観光活性化フォーラムinなら」が、国土交通省、観光庁、奈良県、奈良市、県内市町村をはじめ、各自治体、観光団体・企業の皆さまから格別のお力添えとご熱意を賜り、悠久の歴史にいざなう世界文化遺産、移ろいゆく四季が彩る豊かな自然、日本の食文化のルーツ等々を有する「建国の地・奈良」におきまして、華々しく開催の日を迎えることができましたことに、厚く御礼を申し上げます。また、全国各地でご活躍されるANTA会員の皆さま、観光振興に日ごろご尽力される皆さまが一堂に会してご参集いただきましたことを、心より感謝を申し上げる次第です。
観光は、わが国にとって「成長戦略の柱」といわれるように、各地域が背負うさまざまな課題を解決し、活気を取り戻すための最大の武器であり、切り札です。歴史・文化・自然・名産品・人材等の地域資源を活用することで消費拡大や雇用創出をもたらし、国土強靱(きょうじん)化に資する防災・減災のインフラ整備や自治体財政の基盤強化を促すだけでなく、住む人・働く人の連携と土地への誇りや愛着を醸成し、人口減少を抑制するなど、多岐にわたる恩恵を生み出します。未来にわたって経済的・社会的な好循環を創出する「地域の宝」といっても過言ではありません。
本フォーラムの舞台である古都・奈良は、まさしく王道を行く「観光資源の宝庫」です。本日「建国記念の日」に開催させていただいたように、日本の国家と文化が開花した地であります。有史以来、いにしえのヤマト王権、飛鳥の時代を経て、中央集権国家が確立した平城京は、わが国の首都であり、シルクロードの終着地でもありました。その天平の都のシンボルとして造立された奈良大仏は、鎮護国家の思想のもと、国への災厄を消除して安寧を保ち、民衆の平和と繁栄を願う祈りが込められております。
二階俊博名誉会長が「観光は平和産業」と提唱されるように、観光は平和の時のみ花開く産業であります。私たちは、コロナ禍・大規模災害・国家間での対立など、潮が引くように旅行者が皆無となる様を目の当たりにしました。国難ともいえる未曽有の危機を乗り越えた今、観光産業は、インバウンド急増によるオーバーツーリズムが社会問題となるなど、うれしい悲鳴のごとく捉えられておりますが、旅行業をなりわいとするANTA会員にあっては、主要顧客の団体旅行需要が低迷する中、物価高騰の波が押し寄せ、人手・人材不足など諸問題が山積し、地方・地域はさらに深刻さが増しております。
豊富な観光資源に恵まれた当地・奈良といえども、その例外ではなく、多くの旅行者は奈良の中心エリアだけを日帰り旅行で済ませる傾向が大きな課題となっています。奈良観光の魅力を理解するには、県内各地の旅を奥深く堪能してこそ、未知の発見と秘められた真価に気付くことができます。本フォーラムのテーマ「建国の地 奈良からふたたび」は、新たな観光立国へ歩み始める再出発にふさわしい日本原点の地において、各地域が抱える課題を共有し、「地域創生の宝」を発掘する絶好のビジネスチャンスとしていただき、5400社の会員ネットワークを最大限に生かし全国波及させる発信地としたい、そのような願いも込められております。このたびの奈良フォーラムの開催が会員の皆さまにとって、お互いを高め合い、共存共栄する実り多き有意義な場となることを大いに期待いたします。
結びに、奈良の観光のますますのご発展と一層の飛躍、そしてお集まりの皆さまのご健勝とご隆盛を心より祈念いたしまして、私からのごあいさつとさせていただきます。

ANTA近藤幸二会長

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