認知度は低いが、絶品――。福井県はそんな魅力ある県産食材を「美食福井」と銘打って、PRを強化している。生産者が料理人と食材の魅力を話し合う動画の配信、首都圏のレストランでのフェアの開催など、北陸新幹線の県内延伸を追い風に、ブランド化を図り、消費拡大や来県客増につなげたい考えだ。(清水翔)
子末さんが取った「若狭ぐじ」(福井県おおい町で)
「若狭ぐじは、板前にとっては憧れの食材」「若狭ふぐは身も骨も全部にうまみがある」
県の公式ユーチューブチャンネル「美食福井FUKUI Gastronomy」に1月、2本の動画がアップされた。高級魚として知られるアカアマダイ「若狭ぐじ」と、寒冷な海水で育つフグの王様トラフグの「若狭ふぐ」は、いずれも若狭湾が誇る海の恵みだ。動画では、漁獲・養殖方法や料理法について、地元の漁師と長野県軽井沢町の料理人が対談している。
山本さんが1年半以上かけて養殖する「若狭ふぐ」(福井県高浜町で)
これまでは、福井梅、上庄さといも、敦賀真鯛など24の県産食材について、英語や中国語の字幕付きのプロモーション映像をアップするなどしていた。対談形式の動画は新たな試みで、県流通販売課は「料理人と生産者、双方の視点から語ることで、素材の良さをより伝えられる」とする。
県は2018年から、首都圏のレストランで、県産食材を使った料理を楽しむことができる「美食福井レストランフェア」を開催。食材の良さをまずは料理人に知ってもらい、その先の消費拡大につなげる狙いがある。昨年11月には、首都圏と軽井沢の計約85店舗で、若狭牛や九頭竜まいたけ、吉川ナスなどを用いて各店が開発した料理が提供された。
北陸新幹線の県内延伸で、富裕層が多く暮らす首都圏や北陸新幹線沿線の軽井沢からのアクセスは飛躍的に向上した。首都圏で県産食材を味わった客が、次は地元で食べてみたいと、実際に訪れることを、県は期待する。
こうしたPRを生産者も前向きにとらえる。
若狭ぐじ漁師の子末哲也さん(52)(おおい町)は「県がブランド化を後押ししてくれるのはありがたい。若狭ぐじのおいしさが、県外にももっと知れ渡ってほしい」とする。
若狭ふぐを養殖する料理旅館「
由幸(よしこう)
」(高浜町)代表の山本博史さん(55)は「年間1万~1万4000匹を養殖するが、いけすにはまだ余裕がある。フグを楽しむ人がもっと増えてくれれば」と期待を寄せる。
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