本学は、1月30日に開催した定例記者発表の学長発表において「国立大学法人岡山大学人事基本方針3~常勤理事の選出方法の改善について~」を公表しました。

 本学は昨年の4月22日の定例記者発表において「国立大学法人岡山大学における人事基本方針」を公表し、同方針の中で「研究業績に関する基準については、原則として文部科学省の『地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)』の一角を担う研究大学の教員として、クリアすべき定量的指標および研究の質を客観的に示す指標を、分野の特性等も踏まえ盛り込むものとする」としていました。

 さらに8月19日に開催した定例記者発表の「国立大学法人岡山大学の人事基本方針について2~指標を用いた研究業績の評価への対応~」では、「研究大学(J-PEAKS採択大学)」の教員に求められる研究業績とは何か」、「論文は数の評価に加えて、質の評価も必要ではないか」、「多様な研究分野をそれぞれどのように評価するか」などの課題点を検討し、2026年度実施の人事から適用する予定であることを公表しました。

 第3弾となる今回は、教職員(企業における従業員)ではなく、役員に対して改善を行うものです。国立大学法人における常勤理事(役員)の数は国立大学法人法によって決まっています。そして、教職員から常勤理事に就任する際は、辞職してから就任します。そして常勤理事を退任する時、定年年齢以上(本学では65歳)であれば退職、定年年齢以下であれば復職します。多くの場合、教授が常勤理事に就任しており、復職した場合も教授となります。このような教員の常勤理事の任命は国立大学法人では一般的となっています。

 しかし、国立大学が2004年度に法人化され、多種多様な業務が生まれるなかで、従来の大学の「運営」から、国立大学法人の「経営」へと転換しています。また教員は教育研究のプロであって、必ずしも経営のプロではありません。さらには教員から常勤理事に就任する場合の多くは、兼業で教育研究活動を続けています。これらから、本学では「プロが担う組織」という点の強化から、常勤理事の在り方を検討し、教職員に適用している複線型人事制度を常勤理事にも当てはめることにしました。

 具体的には2026年度から新たに常勤理事に任命された者(任期期間中の者は除く)は理事業務に専念し、兼業としての教育研究等を禁止します。ただし、岡山大学病院長たる医療担当理事は、医療管理業務などがあるため除外します。また常勤理事候補者の大学法人経営に対する適性の判断や、組織構成員が常勤理事に期待することとの融和などの面においては、組織内におけるコンセンサスが十分に醸成されているかという点も重要であるため、常勤理事候補者は理事としての所信表明を述べる場を設けます(最終的な常勤理事の任命は国立大学法人法に基づき、学長が行います)。

 さらに第5期中期目標・中期計画期間がはじまる2028年度からは、教職員が常勤理事になる前に高度専門職のUA(University Administrator)職を兼任し、UA制度によって常勤理事候補者を育成することとし、従来の教員から直接常勤理事に就任するプロセスはなくなります。また、常勤理事退任後は教員ではなく高度専門職で復職し、常勤理事の経験を生かし、例えば、部局などのマネジメントに従事します。

 これらの改善案について、法定会議である教育研究評議会と役員会での審議を経て、12月25日に機関決定しました。今後、細かな運用の詳細を検討していきます。

 本学は研究大学として生きていく覚悟を決めています。そのため、「国立大学法人岡山大学研究大学宣言」を制定し、「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」などを起爆剤に、組織・制度改革を進めています。教職員らに対して改革、変革を求めるだけではなく、役員に対しても同じことが求められると考えます。今回の常勤理事の選出方法などの改善もそのひとつとなります。どうぞ、地域中核・特色ある研究大学:岡山大学の取り組みにご期待ください。

〇那須保友学長のコメント

 定例記者会見の場で、例えとして「記者の皆さんが役員に相談などをしたい時、役員が役員室におらず、『いまは記者として取材に出ています。明後日に帰って来る予定です』と秘書の方に言われたらどう思いますか」と述べました。企業の役員と同じように国立大学法人の役員である理事も極めて多忙、かつ重い責任を負っています。いまの時代、役員が兼業で教育研究活動をしながら全うできる時代でしょうか。理事が「授業で役員室にいない」、「学会に行っており留守にしている」などは適切でしょうか。また理事退任後に、再び雇用されて教授に戻るというのは、准教授や若手研究者らはどう感じるでしょうか。何よりも日進月歩、スピード感が増す研究現場において、数年も現場を離れていた人材を再び教授として雇用するというのは「研究大学」として適切でしょうか。

 本学は、研究大学として「プロが担う組織」へと進化(深化)すべく、役員にも複線型人事制度などを適用し、役員もプロが担う組織へと変革するために、今回の常勤理事の選出方法の改善を実施します。本件はわが国初の取り組みと挑戦です。「運営」から「経営」への転換を強化促進する本学の歩みにご期待ください。

<参考>

・国立大学法人岡山大学人事基本方針3~常勤理事の選出方法の改善について~(2026年1月定例記者会見:学長発表)

<参考情報>

・地域中核・特色ある研究大学の強化と岡山大学ビジョン2050の実現にむけて「人事基本方針」を公開しました(2025年4月定例記者会見:学長発表)

・岡山大学の人事基本方針2~指標を用いた研究業績の評価への対応を進めます~(2025年8月定例記者会見:学長発表)

・岡山大学 地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)ホームページ

【本件問い合わせ先】

総務部 総務課

TEL:086-251-7007

E-mail:aax7007◎adm.okayama-u.ac.jp

※@を◎に置き換えています