ビットコインの深刻な損失は米国時間2月5日に加速し、17%下落して同日の夕方までに約6万ドル水準へ急落した。世界で最も価値の高いデジタル資産であるビットコインにとって、歴史的に見ても極めて悪い局面が続いている。
ビットコインは米東部時間午前6時30分頃、1年以上ぶりに7万ドルの水準を割り込んだが、その後も1日を通じて下げが加速した。
この下落により、ビットコインは米東部時間午後3時過ぎに6万5000ドルを割り込み、CoinGeckoによれば同午後7時21分時点では約6万256ドルまで下落して取引された。その後やや持ち直し、米東部時間午後7時30分過ぎには6万1000ドル強で取引されていた。
これらの価格は、暗号資産としては2024年10月以降記録されていないものだ。ビットコインは、2025年10月6日に到達した史上最高値12万6080ドルから、4カ月足らずで50%超下落している。
ビットコイン価格が弱含み始めたのは1月中旬であり、それは、米国によるベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領の拘束や、ドナルド・トランプ大統領によるグリーンランド掌握の脅しといった地政学的な不安定化を背景としたものだった。
投資家はより安全性の高い資産を求めて殺到し、金と銀の価格は歴史的高値まで急騰した。トランプが米連邦準備制度理事会(FRB)議長にケビン・ウォーシュを指名したことも、ウォーシュが暗号資産に前向きな見方を示しているにもかかわらず、ビットコイン下落の一因になっていると専門家は指摘している。
ドイツ銀行のアナリストであるマリオン・ラブールとカミラ・シアゾンは、この下落を「機関投資家向けETFからの大規模な資金流出」に起因するとしている。ETFとは、多様な資産の集合体であり、株式市場で迅速に投資・売却が可能な商品である。ビットコインの急落はまた、テクノロジー株の売りが広がる中で起きており、ナスダックは直近1週間の取引で4.8%下落している。
暗号資産の状況と連動する部分が大きい取引プラットフォームも、米国時間2月5日にはビットコインとともに打撃を受けた。ロビンフッドの株価は2月5日に10%下落して72.68ドルとなり、年初来では36%安となっている。年初に約236ドルで始まったコインベースの株価は、2月5日に13%下落して146.12ドルとなった。
進行中の暴落が深刻化するなか、ビットコインは過去の年にも見られたおなじみのボラティリティ(変動性)の局面にある。
暗号資産は2021年11月に当時の高値となる約6万9000ドルに達したが、その後1年で約78%下落して1万6000ドルを下回った。ビットコインは、前年に暗号資産を支持するの公約を掲げていたトランプが選挙で勝利した後、2025年に急騰した。
トランプは3月に政府のビットコイン準備金を創設し、暗号資産の取り締まりを後退させた。ビットコインの下落は、トランプが包括的な関税と、コロンビアやグリーンランドのような国々に対する軍事介入の脅しに支えられた強硬な外交政策を主導してきたことと時を同じくしている。
トランプ政権はグリーンランドに関する枠組み合意を有しているが、それが大統領が求める所有権を含むものかは明確ではない。こうした動きは、米国が北大西洋条約機構(NATO)加盟国と結んできた数十年にわたる合意を破綻させかねないものとなっている。
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ビットコイン急落し7万ドル割り込む──「パニック売り」加速で暴落に警戒感強まる
(forbes.com 原文)
