衆議院選挙はいよいよ終盤戦です。前回に引き続き「こうちeye」では、候補者が県内各地で有権者に何を訴えているのか、戦いの様子をお伝えします。今回は高知2区。3期目を目指す前職に新人2人が挑みます。
高知2区に立候補しているのは届け出順に、共産党の新人・浜川百合子氏(46歳)、自民党の前の議員・尾﨑正直氏(58歳)、国民民主党の新人・前田 強氏(42歳)の3人です。
前回2024年の衆議院選挙に続いて、4度目の国政挑戦となる共産党の浜川さん。社会保障や育児・介護などのケア労働をないがしろにしてきた政治によって地域の生活環境が悪化していると訴え、県民の暮らしに根差した政策が必要だと力を込めました。
■浜川氏
「ケアに手厚い高知県へ、ケア労働で働く人は2割弱、県内で最大の雇用の場であり、女性が多く働く分野です。利用者負担や経営努力に押し付けるのではなく、国の責任でまともな賃金と働き方を保障します」
また、防衛費の増額やこの10年で2倍に膨れ上がった大企業の内部留保が市民の暮らしを圧迫していると指摘。教育予算の拡充や日本独自の外交戦略での平和実現を訴えました。
■浜川氏
「教育予算を増やして先生を増やします。学費の引き下げで子どもたちの学ぶ権利を保障します。大切なのはアメリカべったりではなく、憲法9条と非核三原則を持つ日本の強みをいかした独自の外交戦略です。子どもたちの未来のためにも、そして先輩たちがつないできた平和国家としての歩みをここでとめるわけにはいきません」
2人の子どもを育てる浜川さん。この日は慌ただしく家を出てきました。
■浜川氏
「お米をスイッチを入れてきたかどうかを忘れた……」
頑張るお母さんに、娘さんから手作りのお守りがプレゼントされました。
次の世代を担う子どもたちのためにも、浜川さんは性別や国籍・年齢などで排除されることなく、誰もが尊重され、安心して暮らせる社会の実現を目指します。
■浜川氏
「みんなが大事にされる社会像を目指して訴えたいと思っています。本当に短い選挙戦ですが、やっぱり県民の皆さんの暮らしの声、暮らしの政策を最後まで訴え抜くことと街頭での演説やSNSも使って、皆さんと選挙期間中も対話を重ねながら訴えを発展させていきたいと思っています」
県民1人1人の生活に寄り添う政治の実現に向け浜川さんは訴えを続けます。
今回3期目を目指す自民党の尾﨑さん。財務省出身で高知県知事を3期12年務めた後、2021年の衆議院選挙で初当選。去年10月からは官房副長官を務め、内閣の一員として高市政権の大事な仕事は経済の再生と国際競争力の確保、そして安全保障政策の推進だと訴えます。
■尾﨑氏
「日本経済の国際競争力が本当に衰えてしまっている。GDPも世界30位くらいまで下がってしまった。そしてもう一つの大きな課題、日本を取り巻く安全保障環境は大変厳しいものになってきています。その備えをしっかり固めること、このことも大きな課題であり続けております」
今回の選挙はこうした課題への向き合い方に加え、26年ぶりに連立政権の枠組みが変わったことを踏まえて高市政権の信を問うものだと強調します。
■尾﨑氏
「2つの大きな課題に対して、今まででやはりお金がないからできませんということが結構多かった。でもそうではない。より積極的な産業政策を講じよう、より現実主義的積極的な外交安全保障政策を講じていこう、そうすることでもってお金もかかるけれども、しかしながら今やらなければ間に合わない。だから全力でいま取り組んでいこう。(高市政権は)こういう方向性を示そうとしている。連立政権の枠組みも四半世紀ぶりに変わりました。国会審議を行う国会議員を選ぶ国民の皆様にまず、この方向が是か非かということについて信を問わせていただきたい」
尾﨑さんは公務のため、選挙戦の後半は妻の桂子さんがはじめて選挙カーに乗って支持を訴えます。
■尾﨑氏
「一生懸命手を振って皆様に訴えるということが大事ですから最初はちょっと緊張するだろうけど」
■妻・桂子さん
「緊張してます。がんばります」
財務省・県知事・衆議院議員2期という、これまでの経験を存分に活かし政府の責任者として国の新たな経済戦略の策定をけん引する尾﨑さんは、豊かで安全な国づくりのために引き続き仕事をさせてほしいと強く訴えます。
■尾﨑氏
「今回の選挙は政権選択の選挙。大変重要な戦いだと思っていますし、私自身もなんとしても再選させてもらい。皆様とともに仕事をさせてもらいたい。そういう思いです。私の主張を必死になって訴えさせていただく。全力でがんばりたい」
高知の、そして国の未来を見据えて尾﨑さんは走り続けます。
国民民主党県連の副代表を務める前田さん。2015年から県議会議員を1期務め、今回が国政2度目の挑戦です。高知市出身の42歳で、自民党の安定多数ではなく緊張感のある政局が国民にとって良い政治をつくると訴えます。
■前田氏
「昨年末に廃止をされたガソリン税の減税、51年間かかりました。最初は2年のはずだったんです。暫定税率の暫定というのは半世紀も続くものが暫定税率なんでしょうか。これは国民民主党がやったんじゃないんです。自民党がやったわけでもありません。緊張感のある政局がいわゆる国民の声に謙虚な心で耳を傾けるそんな政治を皆様が取り戻したんです」
建設的な野党が加わったことで政治が動き出したと訴える前田さん。そして、食やエネルギーの自給率を高めることが地域の活力につながり、地産外商が地域の経済を向上させると力を込めます。
■前田氏
「食糧とエネルギーの自給率を高めていくこと、それがこの高知県にとって新しい経済と産業のエンジンになる、人が生きていくために必要なものはなんでしょう。空気です、水です、食料ですエネルギーなんです。この高知県には県外にさっき言ったようなものをどんどん輸出していきましょう、どんどん外貨を稼いでいきましょう」
高知市での第一声から向かったのは土佐清水市。党の代表に背中を押され出馬を決心した場所です。選挙初日からの強行日程でしたが予定した街頭演説には間に合いました。しかし、ギリギリの行程で昼食などは後回しです。
■前田氏
「押して押して押しまくってますんで」
昼食を5分でかき込みます。
4人の子どもがいる前田さんは教育支援にも目を向け、大学進学で県外に出た若者が高知に戻ってこられるように、返済の必要のない奨学金の創設や減免制度の拡充なども訴えます。そして、前田さんがもっとも訴えたいことはー
■前田氏
「納税者の立場に立ってわかりやすいシンプルな消費税制として、一律5%への引き下げ、それにともない複数税率を解消してインボイス制度を廃止していきたい、現実的な消費税一律5%への引き下げ、これを訴えていきたい」
「変えられないを変えていく」前田さんは変えられる政治を目指して、「前へ強く」踏み出します。
今回の選挙では、自民と日本維新の会の連立政権で過半数を確保できるのかどうかを最大の焦点に、消費税減税などの経済政策や安保3文書の改定といった安全保障政策の転換などが争点にあがっています。この国の針路を問う衆議院選挙は2月8日に投開票されます。
