仏RFIの中国語版サイトは1月31日、「なぜドイツ企業は中国に投資するのか」とするドイツのウェブサイト「deutschland.de」の記事を紹介した。写真はBMWの合弁工場。
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仏RFIの中国語版サイトは1月31日、「なぜドイツ企業は中国に投資するのか」とするドイツのウェブサイト「deutschland.de」の記事を紹介した。
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記事はまず、「革新性、スピード、テクノロジー志向など、中国がドイツ企業にとって魅力的な拠点である理由は数多くある」とし、在中華圏ドイツ商工会議所によると、中国で事業を展開しているドイツ企業は約5000社あり、中でも特に重要な産業は、自動車、化学、グリーンエネルギーだと紹介した。
そして、中国で活動するドイツ企業の協会であるバイエルン中国フォーラムのシュテファン・ガイガー専務理事によると、中国の大きな強みは、特に電気自動車(EV)やバッテリー、太陽光発電などのグリーンテクノロジーにおける革新性とスピードで、ドイツ企業は生産だけでなく、研究開発活動の一部あるいはすべてを中国に移転する傾向にあり、ドイツ企業は中国で約110万人の雇用を創出していると伝えた。また、中国は新技術に対して非常にオープンであり、デジタル化の面では欧州よりも進んでいる場合が多いとも伝えた。
さらに、ドイツ政府の経済開発機関であるドイツ貿易投資振興機関(GTAI)の東アジア担当副局長、クリスティーナ・オッテ氏によると、その他の重要な要素は低いエネルギーコストや優れたインフラ、グローバルサプライチェーンへの統合であり、中国は「一帯一路」構想に基づき、新しい道路や鉄道、橋、パイプラインなどのインフラプロジェクトを支援しているとも伝えた。
記事によると、ドイツの対中直接投資は2025年だけで約70億ユーロ(約1兆2810億円)に上る。主なセクターは自動車産業で、その代表例にはフォルクスワーゲンの安徽省の新工場やBMWグループの世界最大の生産拠点である遼寧省瀋陽市の合弁工場などがある。化学産業や機械工学産業への投資も活発だ。ドイツの化学メーカーBASFはルートヴィヒスハーフェンを除いて最大の工場を広東省湛江市に建設中で、26年3月の開業が予定されている。
地域別に見ると、中国に進出しているドイツ企業の約4分の1が、中国東部の江蘇省、浙江省、上海市からなる長江デルタ地域と、広東省深セン市と香港を中心とする粤港澳大湾区(グレーターベイエリア)に拠点を置いている。北京や天津などの首都圏と四川省や重慶市も重点投資地域で、オッテ氏によると、これらの地域に集中するのはインフラの優位性だけでなく熟練した労働力が豊富にあるからだ。
ドイツ在外商工会議所がまとめた25〜26年版の中華圏ビジネス環境調査によると、大きな課題となっているのが価格圧力で、中国国内における需要低迷と外国製品よりも中国製品を好む傾向が障害となっている。オッテ氏によると、米国との緊張や中国によるレアアース(希土類)輸出制限などの地政学的な不確実性も大きな要因だ。
オッテ氏によると、ドイツのサプライチェーン法により、23年以降はドイツの大企業、そして24年以降は中規模企業も、サプライヤーが人権法や環境法、労働基準を順守することを保証する義務を負っている。これは間接的に中国のサプライヤーにも影響を与え、監査や認証、厳格な契約を受け入れることを義務付けている。これは本当に効果を上げているのかについて、ガイガー氏は「導入は必ずしも容易ではないが、今のところ大きな問題は見られない」と語る。
中国における従業員保護の現状については、意外に思われるかもしれないが、ガイガー氏によると、中国の雇用保護はドイツよりも厳しい場合がある。地域の最低賃金は近隣諸国の一般的な賃金よりも高いことが多く、定期的に調整される。残業や試用期間中の保護に関する規制もある。オッテ氏によると、中国は近年、従業員保護に関する法律をさらに厳格化していて、ほとんどのドイツ企業は中国の最低賃金よりもかなり高い賃金を支払っている。(翻訳・編集/柳川)
BMWの合弁工場
