■試験概要について

 令和6年度は、カラス、ヒヨドリはもとよりメジロの発生が多く、柑橘類への食害が多い年でした。こうした中、当室において、空港のバードストライク対策や都市部で有効性が確認され始めた高周波技術等を活用した「音のバリア」による新たな手法をモデル的に導入し、いくつかの知見を得ることができたので報告します。

鳥獣害対策鳥獣害対策図1

※予防は着色直前から高周波音を発生。抑制は食害が始まってから高周波音を発生。

鳥獣害対策図2鳥獣害対策図3

※高周波発生装置は、野生鳥獣が嫌う周波数とされている高周波12~20kHzの音をいろいろな音の組み合わせで照射できる(株)T.M.Worksの「ソニック」を採用した。​

 

■結果と考察

1 高周波音による効果

・R6年度の鳥害多発年でも、一定期間(収穫適期)ならソニックで被害を2%程度に軽減できる。

・予防効果は認められるが、抑制効果は期待できない。

・有袋している小太郎は、明らかにカラスの被害を低減できる。

 

2 鳥類被害の要因

・エサ資源量の多寡で被害量が変化

 園地への鳥の発生は、山の木の実(液果)の多少で決まり、液果がない場合は、その代替としてミカンを食害する。代替園地の収穫が終わると次の代替園地を求めて食害する。

 ・被害量の多い園地の近くには隠れ場所がある

  データで示してはいないが、鳥が危険を感じた場合、近くに隠れ場所があるかどうかが被害発生の大きな要因となっており、雑木林や山林から近い園地での食害率が高い。

 ・同一品種では着色の早晩で被害量が異なる

  同一品種では、気象(局地気象、乾燥程度)、着果量、園地の方位、栽培方法(マルチ等)などで着色時期が異なり、収穫が遅れると食害の危険度が高まる。

 ・他の害獣と同様に、鳥も学習する

図3では、1月2日には調査樹10本の着色は同じになったが、12月に4号樹の着色が早かったため、学習した鳥が1月も4号樹を集中的に食害した。

 

■対策 

・適期に収穫し、被害拡大を抑える

 ・雑木林などの隠れる場所を少なくする