鳥取県立美術館(鳥取県倉吉市)で、「CONNEXIONS コネクションズ―接続するアーティストたち」が2月7日から開催されます。

2025年3月に「未来をつくる美術館」として開館した鳥取県立美術館は、新しい価値を育み、文化をともに育てていく場として、同時代の表現を紹介することにも力を注いでいます。その一環として開催される本展では、作品を通じて文化や社会の断絶を越え、異なる領域を架橋する国内外のアーティスト7組が招聘されます。

※画像は実際の展⽰とは異なります。

CONNEXIONS コネクションズ―接続するアーティストたち

会場:鳥取県立美術館(鳥取県倉吉市駄経寺町2-3-12)

会期:2026年2月7日(土)~3月22日(日)

開館時間:9:00~17:00 ※入館は16:30まで

休館日:月曜日(2/23は開館)、2/24(火)

観覧料:一般1200円、学生750円、高校生500円、小中学生300円
※未就学児、障がいのある方・難病患者の方・要介護者等及びその介護者は無料
※企画展のチケットでコレクション展も観覧可能

アクセス:※駐車場あり(110台)
JR倉吉駅よりバスで約10分、「県立美術館前」下車
鳥取砂丘コナン空港からバスで約45分
米子道湯原ICから車で約50分

詳細は、鳥取県立美術館公式サイトまで。

本展の開催趣旨

パンデミックを経た今日、災害や戦争、グローバル経済の混乱によって、不安定さと脆さが一層際立つ世界に私たちは生きています。変化の渦に揺れる状況下で、アートはいかなるビジョンを示すことができるのでしょうか。本展は、「つながり」「関わり」を意味する「コネクションズ」をテーマに掲げ、アートと社会の未来の姿を描く企画として構想されました。音楽や演劇、パフォーマンスなど異なる領域を横断し、美術を「体験の場」へと広げる表現、そして多様な文化的背景をもつアーティストによる、世界を越境し共生の道を探る取り組みが紹介されます。

彼らの表現は、単なる物質的な作品を超えて、人々との体験や参加、身体を用いた実践や協働のプロセスなど多面的な行為性を含み、新たな関わりや出来事を生み出します。これらの活動は美術の領域を広げ、従来の枠を越えた表現の可能性を示すとともに、「コネクションズ」というタイトルが示す通り、異なる文化や社会的背景を横断し、新たな関係性を築くものです。

展覧会の見どころ
1、“見る”芸術から、参加し、“体感する”芸術へ。

本展ではアーティストがワークショップ、イベントを多数実施し、アートへのさまざまな関わり方を提案されます。サウンド・アーティスト mamoruが実施するプロジェクト「声を挙げ、絶やさない」では、パフォーマンスの参加者を一般公募し、6月、10月に県内8カ所で開催したワークショップには約120名が参加しました。

2月8日(日)には全参加者が集合し、ワークショップの成果を美術館内で発表します。ビニール袋をリサイクルして巨大なバルーン型美術館を作る「ムセオ・アエロ・ソラール」は、展覧会期前から袋の収集を始め、繋ぎ合わせる作業を参加型で実施されます。アーティスト・グループ刷音は、会期中シルクスクリーン・ワークショップやDJライブなど、様々な体験プログラムを全4回開催されます。

mamoru《声を挙げ、絶やさない》2021-Szczecin(ポーランド)でのグループワークの様子/2024年5月15日 photo: Tien Zong Yuan
刷音《刷音》ワークショップ風景/2018年12月14日/四方当代美術館(南京)SURE INN, Printing Sound, workshop view from Printing Sound,December 14, 2018. Sifang Art Museum, Nanjin
2、ここでしか見られない!本邦初や新作がずらり

今見るべき実力派や注目の若手アーティストたちが鳥取をリサーチし、そこから得たアイデアを元に作品を制作、発表されます。アートのオリンピック、ベネチア・ビエンナーレにキプロス代表として参加したマリアンナ・クリストフィデスは、日本の美術館で初めて展示するほか、高嶺格、遠藤薫、サイドコアといった注目のアーティストたちによる最新作は必見です。

高嶺格《脱皮的彫刻》2025 千葉市役所 提供:千葉国際芸術祭実行委員会/撮影:ただ(ゆかい)
遠藤薫《重力と虹翳藤薫《重力と虹霓―南波照間島について》展示風景/2023年/大阪中之島美術館 Kaori Endo, Gravity and rainbow/About the “Pai-Patiroma”phantom island,2023.Installation view atNakanoshima Museum of Art,Osaka,Japan.Photo by the Artist
SIDE CORE/EVERYDAY HOLIDAY SQUAD《rode work ver. tokyo》2018/2022 展示風景/森美術館2022-2023 SIDE CORE/ EVERYDAY HOLIDAY SQUAD, rode work ver. tokyo 2018/ 2022. Installation view at Mori Art Museum, 2022-2023 Photo: Kioku Keizo
3、気づいたら学んでた! アートを入口に世界を知ろう

歴史や社会の問題をテーマとしながら自由な手法で遊び場を作るアーティスト・グループ刷音や、人間と環境との関係や持続可能な生活のあり方を問いかけるムセオ・アエロ・ソラール、現代の移民・環境問題をテーマに作品制作するマリアンナ・クリストフィデスなど、楽しみながら深い学びへと誘う「アート」の魅力を伝えられます。

ムセオ・アエロ・ソラール《ムセオ・アエロ・ソラール-チェンライ》2023-2024 Courtesy Museo Aero Solar, in particular communities of the Chiang Rai Biennale, Thailand. Photo Credit: Joaquin Ezcurra, Aerocene
マリアンナ・クリストフィデス《Restor(y)ing Waters/Rivers, Banks》展示風景/2024年 Marianna Christofides, Restor(y)ing Waters/Rivers, Banks,installation view, 2024. Photo

「コネクションズ」という言葉が示す通り、本展は単なる作品鑑賞に留まらず、他者や世界との新たな関係性を築くための壮大な試みです。パンデミックや社会の分断を経験した私たちが、今最も必要としている「つながり」の形を、国内外で活躍するアーティストたちが多様なアプローチで提示します。見るだけでなく、参加し、体感することで、アートが社会に示す新たなビジョンを自分自身の身体を通して感じ取ることができるでしょう。新しい価値をともに育む「未来をつくる美術館」で、あなたも新たな接続の一部になってみてはいかがでしょうか。(美術展ナビ)