京都国立博物館(京都府京都市東山区)で、特集展示「縁えにしを結ぶかたな─国宝・重要文化財で学ぶ刀剣鑑賞─」が2月4日から、特集展示「雛まつりと人形」が2月7日から開催されます。
特集展示「縁を結ぶかたな─国宝・重要文化財で学ぶ刀剣鑑賞─」
特集展示「雛まつりと人形」
会場:京都国立博物館 平成知新館(京都府京都市東山区茶屋町527)
「縁を結ぶかたな」1F-4・5展示室
「雛まつりと人形」1F-2展示室
会期:
「縁を結ぶかたな」2026年2月4日(水)~3月22日(日)
「雛まつりと人形」2026年2月7日(土)~3月15日(日)
開館時間:午前9時30分~午後5時(金曜は午後8時まで開館)
※入館は各閉館の30分前まで
休館日:月曜日
(ただし、2月23日(月・祝)は開館し、2月24日(火)休館)
観覧料:一般700円、大学生350円
※高校生以下および満18歳未満、満70歳以上の方は無料(要証明)
※障害者の方とその介護者1名は無料(障害者手帳を要提示)
※キャンパスメンバーズ(含教職員)は、学生証または教職員証提示で無料
※本観覧料で当日の平成知新館の全展示が観覧可能
アクセス:
JR京都駅下車、駅前バスのりばより市バス206・208号系統にて
「博物館三十三間堂前」下車すぐ。
京阪電車「七条駅」下車、東へ徒歩約7分。
詳細は、京都国立博物館公式サイトまで。
文化財や美術品との出会いには様々な入口があります。特集展示「縁を結ぶかたな」では、京都国立博物館の収蔵する国宝・重要文化財の名品を通して、普段の生活では身近に感じることのできない「刀剣」分野の見どころが「形」「銘」「刃文」「刀身彫刻」の4つのテーマに沿って紹介されます。
さらに、本年の特集展示「雛まつりと人形」では、雛人形を通して表現された天皇と皇后の姿の移り変わりに注目します。江戸時代の人々が漠然と抱いていた天皇のイメージが托されたものから、写真などを参考にその姿を正確に写そうとした明治時代以降の作品まで、いつの世も憧れのまなざしをもって大切に守り伝えられてきた雛人形の諸相を堪能してみてはいかがでしょうか。
京風古今雛 京都国立博物館蔵
特集展示「縁えにしを結ぶかたな ―国宝・重要文化財で学ぶ刀剣鑑賞―」
京都国立博物館の収蔵する国宝・重要文化財の名品を通して、普段の生活では身近に感じることのできない「刀剣」分野の見どころを「形」「銘」「刃文」「刀身彫刻」の四つのテーマに沿ってご紹介します。
テーマ1「形」
日本刀の形状は片刃で反りがあるという基本構造に共通性を持ちつつ、製作された時代によって各部のバランスに変化が生じます。使用目的や文化的背景、戦闘環境や使用者の変化に影響を受ける日本刀の姿を見てみましょう。
国宝 太刀 銘安家 京都国立博物館蔵
安家は平安時代末期、伯耆国(現鳥取県西部)で活動した刀工。細身で強く反る古風な姿が見どころ。黒田家に伝来し、安家の在銘作品はこの太刀のみです。
重要文化財 太刀 銘 波平行安(号笹貫)
テーマ2「銘」
日本刀には茎なかごに文字情報(銘)が刻まれることがあります。銘文の内容には、製作者の名前のほか、居住地や製作年月日、後世の鑑定の結果が刻まれていることもあります。
重要文化財 刀 金象嵌銘本多美濃守所持/義弘本阿(花押)(名物桑名江) 京都国立博物館蔵
金象嵌銘は本阿弥光徳(一五五四~一六一九)によるものです。極め(鑑定)の銘として越中(現富山県)の刀工・義弘の名と、所有者である本多忠政の名を刻みます。
テーマ3「刃文」
刀剣に武器や道具としての硬度や柔軟性を持たせるための処理が焼入やきいれです。焼入による金属組織の変化の副産物として生まれる文様を刃文といいます。刃文にはさまざまなな形があり、刀剣を鑑賞する際の見どころとなりました。
テーマ4「刀身彫刻」
刀剣には、刀身に直接彫刻が施されているものがあります。起源は古く、我が国では鉄製刀剣が盛んに用いられはじめた古墳時代から作例があります。製作者の信仰心が込められたもの、実用性を高めるため重量の軽減を目的としたものなどがあります。
重要文化財 短刀 銘 吉光(名物秋田藤四郎)
特集展示 雛まつりと人形
雛まつりは「上巳じょうしの節供」ともいい、もともとは古代中国に起源を持つ禊みそぎの行事でした。日本に取り入れられると、貴族たちは川辺で祓はらえを行い、曲水の宴を催すようになりました。そこで用いられた人形ひとがたは、日常生活の中で人間についた穢けがれを引き受け、水に流すなどして捨てられ、現代でも「流し雛」として目にすることができます。この習俗がやがて、子どもが遊びに用いる人形と結びつき、江戸時代には座敷に飾りつける雛人形や雛段へ発展したと考えられています。
段飾り雛 京都国立博物館蔵
立雛 次郎左衛門頭 京都国立博物館蔵
御所人形 春駒持 京都国立博物館蔵
特別展以外の期間でも、京都国立博物館では多彩なテーマの特集展示のほか、名品ギャラリーとして各分野のコレクションが紹介されています。ちょうど冬から春へと切り替わるこの時期、対照的な二つの美の世界に浸るひとときはいかがでしょうか。平安時代から続く刀工の魂が宿る「刀剣」の鋭くも美しい造形美、そして時代を超えて人々の憧れと願いを託されてきた「雛人形」の優美な佇まい。歴史の息吹を感じながら、大切な「縁」を結ぶ美術の旅へ出かけてみてはいかがでしょうか。(美術展ナビ)
◆あわせて読みたい
