
取材&文:西澤裕郎
ExWHYZが英国全3都市を巡る初のイギリスツアー<ExWHYZ in the UK Tour>の2公演目を、2026年1月30日(木)、マンチェスターのThe Kings Armsにて開催した。
前日のブリストル公演を終えた一行は、夜のうちにロンドンへと戻り、翌朝一番、ミニバスに乗って約4時間かけてマンチェスターへ。ミニバスが故障するトラブルで出発が遅れるというハプニングもあったが、無事に到着した。
2日目の舞台となったマンチェスターは、オアシス、ストーン・ローゼズ、ハッピー・マンデーズ、ザ・スミスといった世界的ミュージシャンを輩出し、80〜90年代には「マッドチェスター」と呼ばれる独自の音楽シーンを生み出した街だ。世界のロック/ダンスカルチャーに多大な影響を与えてきたこの都市には、いまも音楽とフットボールの熱気が脈打っている。
会場のThe Kings Armsは、歴史あるパブを母体とするライブスペース。木造の壁に囲まれた小さな空間は、観客との距離が驚くほど近く、メンバーの息遣いや汗が伝わるほどだ。
ツアー2日目となるこの日も、会場には数多くのマスター(※ExWHYZファンの総称)たちが足を運んだ。初日のブリストルから連続して参加する姿もあれば、この日初めて加わった新たな顔も多く見られる。日本から駆けつけたファンもいれば、現地や他国から訪れたであろう姿も。そんな濃密な環境でExWHYZがどんなステージを見せるのか――開演前からフロアは期待と高揚感に満ちていた。
開演5分前、場内にメンバー自身による英語での影アナウンスが流れ、注意事項が伝えられると、その一言一言に早くも歓声が上がった。



19時30分、照明が落ち、場内が暗転。「STAY WITH Me」のイントロが鳴り響くと、yu-ki、maho、mikinaの3人は脇の扉から登場し、マスターたちの横を通り抜けてステージへと立った。観客との境界はロープ一本のみ。マイクから漏れる息づかいがダイレクトに伝わる距離で、ステージとフロアが真正面でぶつかり合う。
ExWHYZのライブの特徴は、観客であるマスターたちが、それぞれ自由な形で音楽に身を委ねることにある。この日もフロアには、のびやかで開放的な空気が満ちていた。前日のブリストルとは異なる、パブという空間ならではの親密さと熱気が、早くも会場を包んでいた。

「STAY WITH Me」から「Obsession」、そして「goodbye」へ。3曲を一気に駆け抜けたところで、yu-kiが弾んだ息のまま「マンチェスターの皆さん、こんばんは! 私たちはExWHYZです!」と叫び、「マンチェスターといえばサッカーが熱い街だって聞いていたけど、今、マンチェスターで一番熱い場所はここ、このライブハウスだよね!」と煽り、一気にフロアの心を掴む。
続いてmahoが、前日よりもリラックスした様子で英語で語りかける。「皆さん調子はどうですか? 私は皆さんに会えて本当に嬉しいです。ありがとう!」真っ直ぐな言葉に、会場からは温かい声援が飛んだ。
mikinaはマンチェスター特有の天気に触れ、「マンチェスターの天気って……本当に変わりやすいね!」と話し、「でも、みんな風邪を引かないように気をつけてね。今日はここで一緒に体を温めて、最後はみんな笑顔で帰りましょう!」彼女らしい優しさでファンを気遣った。
温かな挨拶に迎えられ、ライブは「You & Me」「Des Speeching」へと続く。「SHOWTIME」を経て、「DON’T CRY」ではハッピーなバイブスがフロアを満たし、観客の高揚感はさらに加速していく。「Shall We」まで一気に駆け抜け、8曲目を終えたところで、再びMCの時間が訪れた。
すっかり会場が一つになった空気の中、ブリストル公演でも実施された日本語ゲームが始まった。「日本から持ってきた新しい言葉を教えるね!」とyu-kiが提案すると、フロアからは期待の声が上がる。まずは「うまい!」。yu-kiが美味しそうにビールを飲むジェスチャーを添えると、会場からは納得の笑いと「UMAI!」の合唱が響いた。続いて「おつ!」。お疲れ様、またね、という気軽な挨拶だ(※この日、メンバーは日本流に崩して「おちゅ」と伝えていた)。そして「可愛い!」――前日のブリストルからの連鎖か、教える前から客席のあちこちから「カワイイ!」の声が飛び交う事態に。mikinaも「みんな覚えるのが早すぎるよ!」と驚くほどの完璧なレスポンスだった。

マスターもメンバーも楽しそうに呼応し合う様子に、会場全体が温かな笑顔に包まれる。yu-kiが「いつか使ってみてね。……でも、次の曲は全然『可愛くない』、最高にクールな曲。準備はいい?」と、一気にライブのギアを切り替えた。その言葉通り、ライブは「xANADU~BLAZE」へと突入する。重低音が響くダンスチューンに乗せ、先ほどまでの空気とは一転、クールで迫力あるパフォーマンスを披露。続く「Unknown Sense」でも勢いは衰えず、3名体制でありながら、ExWHYZの音楽性の幅広さを鮮やかに提示していく。
「iD」を経て、「Our Song」へ。この曲でマンチェスターの夜は最高潮を迎えた。マスターたちの大合唱が会場を満たし、フロア全体が一斉にジャンプする。パブという小さな空間だからこそ生まれる一体感が、ステージとフロアの境界を溶かしていく。メンバーの息遣いや汗が伝わるほどの近さで、3人とマスターたちが一つになった瞬間だった。



「Everything」で本編を締めくくると、会場からは大きな歓声が沸き起こる。しかし、会場の構造上、メンバーは退出せずそのままステージに留まった。
mahoがこの日一番の想いを英語で語り始める。「このUKツアーで、皆さんとこうして出会えたことは、私にとって本当に大きな意味があります。今日のこの夜のことを、私はずっと忘れません。出会えて良かったです。私たちの音楽が、これからも皆さんのそばにあり続けますように」
一言一言、噛み締めるように伝えられたその言葉に、フロアは静かな感動に包まれた。その余韻を抱いたまま、新曲「リグレット」へと続く。3人の歌声が、マンチェスターの夜に深く響き渡った。

最後は「NOT SORRY」で締めくくると、メンバーはひとりひとりの観客の顔を見つめながら、笑顔で感謝を伝えていく。撮影タイムも設けられ、最後は3人がギャルピースを決め、マンチェスターでの濃密な夜は幕を閉じた。

前日夜のブリストルからロンドンへ戻り、朝一のコーチでマンチェスターへ向かうという大変な工程。さらにミニバスの故障というトラブルにも見舞われた。それでも、ステージ上で見せるのは終始変わらぬ笑顔だ。アイドルとしての輝きを絶やさない一方で、パフォーマンスではクールで熱量の高い一面を惜しみなく放つ。ブリストルとは異なる、パブという空間が持つ親密さと熱気の中でも、ExWHYZは場所を選ばず彼女たちらしさを存分に発揮し、3名体制のパフォーマンスは、さらなる深みを増していた。
2026年2月1日、ExWHYZ一行はロンドンの地に立つ。ブリストル、マンチェスターを経て辿り着く旅路の終着点で、ツアー最終日の夜が幕を開ける。

■ライブ情報
〈ExWHYZ in the UK Tour〉
2026年1月29日(木) – The Fleece(ブリストル)
2026年1月30日(金) – The Kings Arms(マンチェスター)
https://www.fatsoma.com/e/3phwtusm/exwhyz-in-the-uk-tour
2026年2月1日(日) – The Underworld(ロンドン)
https://www.theunderworldcamden.co.uk/event/exwhyz-1st-feb-the-underworld-london-tickets
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