りそなグループ B.LEAGUE 2025-26シーズンが23試合を消化し、約1/4が経過した。

オフェンス力を測るスタッツは数多く存在し、注目を集めやすい一方で、ディフェンス力を測るスタッツが語られる機会は意外にも少ない。しかし、ディフェンスこそが勝利への鍵であることを、データは明確に示している。

**Bリーグ歴代チャンピオンシップ優勝8チーム、その全てがディフェンシブレーティング(守備効率指標)で上位5位以内にランクイン。**一方、オフェンシブレーティング(攻撃効率指標)上位5位以内のチームが優勝したのは、わずか4チームに過ぎない。この事実が物語るのは、「優勝を狙うチームには、堅固なディフェンスが不可欠」という真理だ。

今回は、独自に計測しているディフェンススタッツを複数紹介しながら、今シーズン最もディフェンス力が強いチームとその傾向を徹底分析していく。

※執筆時点(14節23試合終了時点)でのスタッツを計測

※ポジティブな結果であるほど上位となっている

使用するスタッツ

DFFRTG(ディフェンシブレーティング)

100回攻撃された時に喫する平均失点。この数値が低いほど優れたディフェンス力を持つチームであり、Bリーグ歴代チャンピオン8チーム全てが上位5位以内にランクインしている最重要ディフェンス指標。

OppeFG%(対戦相手の実質シュート決定率)

最も重要な指標とされる。相手の2Pシュート、3Pシュートの成功率を複合的に評価する。この数値が低ければ低いほど、相手に効率の良いシュートを打たせていないことを示している。

DRB%(ディフェンスリバウンド獲得率)

相手のミスショット後、リバウンドを確保できている割合。この数値が高ければ、相手の2度目の攻撃機会を制限できており、1ポゼッション1チャンスの理想的なディフェンスができていることを示している。

Opp3ptA%(対戦相手の3Pシュート試投割合)

対戦相手の全シュート試投数+フリースローになったシュート試投のうち、3Pシュートが占める割合。この数値が高いチームは相手に外角からのシュートを多く打たせており、ペイントエリアを守る意図的なディフェンス戦略を取っていると考えられる。

Opp2ptA%(対戦相手の3Pシュート試投割合)

対戦相手の全シュート試投数+フリースローになったシュート試投のうち、2Pシュートが占める割合。この数値が高いチームは相手の外角からのシュートを意図的に防いでおり、ペイントエリアやミッドレンジシュートへ誘い込んでいると考えられる

OPPFTR(対戦相手のフリースロー獲得率)

相手チームにフリースローを与えている割合。この数値が低いほど、ファウルに頼らない効果的なディフェンスができているという予想ができ、最も効率的なフリースローを撃たれていないことがわかる。

Opp3FG%(対戦相手3Pシュート決定率)

対戦相手の3Pシュート成功率。この数値が低いチームは、3Pシュートに対して効果的なディフェンスプレッシャーをかけられていることを示す。

Opp2FG%(対戦相手2Pシュート決定率)

対戦相手の2Pシュート成功率。この数値が低いチームは、ペイントエリアやミドルレンジでのシュートを効果的に妨害できていることを示す。

OPPTOV%(対戦相手のターンオーバー率)

相手チームのターンオーバーを誘発できている割合。この数値が高いほど、相手の攻撃を効果的に崩せているということになる。スティールやパスカットなど、アグレッシブなディフェンスの成果を表す指標でもある。

1.ディフェンスの基本 OppeFG%+ DRB%

相手のシュートを落とさせ、それをしっかりと回収し相手の攻撃を抑えている基本に忠実なチームがわかる

Opp2FG%ランキング




リーグ順位
項目
スタッツ




1位
千葉J
44.63%


2位
長崎
47.22%


3位
名古屋D
47.58%


4位
A東京
49.40%


5位
琉球
50.89%


6位
A千葉
51.01%


7位
群馬
51.55%


8位
三河
51.96%


9位
茨城
53.00%


10位
広島
53.03%


11位
FE名古屋
53.61%


12位
仙台
53.89%


13位
北海道
54.10%


14位
宇都宮
54.22%


15位
越谷
54.29%


16位
SR渋谷
54.57%


17位
三遠
54.93%


18位
川崎
55.03%


19位
大阪
55.06%


20位
島根
55.50%


21位
京都
55.90%


22位
滋賀
56.26%


23位
富山
57.59%


24位
佐賀
57.65%


25位
秋田
58.22%


26位
横浜BC
58.35%

 

2.ディフェンス戦略 Opp3ptA% + Opp2ptA% + OppFTR
 

DRB%ランキング
 




リーグ順位
項目
スタッツ




1位
越谷
74.0%


2位
長崎
73.3%


3位
渋谷
72.1%


4位
A東京
71.4%


5位
島根
71.1%


6位
横浜
70.5%


7位
佐賀
70.5%


8位
宇都宮
69.6%


9位
琉球
69.5%


10位
三河
69.3%


11位
北海道
68.8%


12位
千葉J
68.8%


13位
川崎
68.5%


14位
広島
68.5%


15位
FE名古屋
68.2%


16位
A千葉
67.5%


17位
茨城
67.3%


18位
群馬
67.2%


19位
名古屋D
67.2%


20位
秋田
67.0%


21位
三遠
67.0%


22位
富山
66.7%


23位
滋賀
66.3%


24位
京都
66.0%


25位
仙台
65.9%


26位
大阪
64.5%

 

どこのシュートを打たせているのか、チームのディフェンス戦略がわかる


Opp3ptA%ランキング




リーグ順位
項目
スタッツ




1位
三河
42.12%


2位
茨城
41.43%


3位
佐賀
41.38%


4位
仙台
41.28%


5位
秋田
40.69%


6位
富山
39.93%


7位
横浜BC
39.83%


8位
A千葉
39.74%


9位
琉球
39.73%


10位
FE名古屋
39.10%


11位
三遠
38.92%


12位
川崎
38.70%


13位
島根
38.54%


14位
千葉J
38.32%


15位
京都
38.04%


16位
滋賀
37.76%


17位
広島
37.74%


18位
群馬
37.38%


19位
宇都宮
36.37%


20位
長崎
36.35%


21位
大阪
36.26%


22位
名古屋D
35.49%


23位
北海道
35.48%


24位
SR渋谷
35.16%


25位
越谷
34.07%


26位
A東京
33.75%


Opp2ptA%ランキング




リーグ順位
項目
スタッツ




1位
SR渋谷
56.00%


2位
A東京
54.75%


3位
名古屋D
54.68%


4位
越谷
54.44%


5位
宇都宮
54.09%


6位
千葉J
53.63%


7位
群馬
53.58%


8位
大阪
53.10%


9位
広島
52.98%


10位
北海道
52.97%


11位
長崎
52.80%


12位
島根
51.84%


13位
FE名古屋
51.50%


14位
京都
50.88%


15位
滋賀
50.72%


16位
茨城
50.12%


17位
琉球
49.87%


18位
秋田
49.47%


19位
横浜BC
49.23%


20位
三遠
49.17%


21位
川崎
48.99%


22位
佐賀
48.99%


23位
A千葉
48.99%


24位
富山
48.02%


25位
三河
48.02%


26位
仙台
47.87%


OppFTRランキング




リーグ順位
項目
スタッツ




1位
千葉J
20.11%


2位
茨城
21.37%


3位
SR渋谷
22.26%


4位
群馬
22.95%


5位
広島
23.74%


6位
FE名古屋
23.79%


7位
宇都宮
24.17%


8位
島根
24.39%


9位
佐賀
24.51%


10位
名古屋D
25.08%


11位
三河
25.12%


12位
秋田
25.19%


13位
琉球
26.68%


14位
大阪
27.52%


15位
長崎
27.99%


16位
横浜BC
28.21%


17位
仙台
28.32%


18位
京都
28.58%


19位
A千葉
29.15%


20位
A東京
29.81%


21位
滋賀
30.04%


22位
北海道
30.10%


23位
越谷
30.16%


24位
三遠
31.02%


25位
富山
31.53%


26位
川崎
32.52%


三河・茨城・佐賀・仙台・秋田・富山は3Pシュートを打たせているチーム。SR渋谷・A東京・名古屋D・越谷・千葉J・宇都宮は2Pシュートを打たせているチームということがわかる。OppFTRについては、2Pシュートを打たせるチームが多くなる傾向にあるが、千葉JやSR渋谷は低くなっている。

 

3.打たせたシュートの質 Opp3FG% + Opp2FG%


先のディフェンス戦略を見た上で、各シュートの決定率を見ることでそのシュートを”打たせ”ているチームであるのか”打たれ”ているチームなのかをある程度判断できる。

 

Opp3FG%ランキング




リーグ順位
項目
スタッツ




1位
名古屋D
25.88%


2位
宇都宮
29.25%


3位
仙台
31.08%


4位
FE名古屋
31.63%


5位
島根
31.78%


6位
越谷
31.80%


7位
広島
32.29%


8位
千葉J
32.46%


9位
北海道
33.24%


10位
大阪
33.30%


11位
A千葉
33.39%


12位
群馬
33.76%


13位
琉球
33.76%


14位
三河
34.30%


15位
京都
34.30%


16位
滋賀
34.52%


17位
A東京
34.76%


18位
茨城
34.81%


19位
富山
34.99%


20位
三遠
35.13%


21位
長崎
35.25%


22位
横浜BC
35.53%


23位
佐賀
35.81%


24位
秋田
35.82%


25位
SR渋谷
37.75%


26位
川崎
38.62%


Opp2FG%ランキング




リーグ順位
項目
スタッツ




1位
千葉J
44.63%


2位
長崎
47.22%


3位
名古屋D
47.58%


4位
A東京
49.40%


5位
琉球
50.89%


6位
A千葉
51.01%


7位
群馬
51.55%


8位
三河
51.96%


9位
茨城
53.00%


10位
広島
53.03%


11位
FE名古屋
53.61%


12位
仙台
53.89%


13位
北海道
54.10%


14位
宇都宮
54.22%


15位
越谷
54.29%


16位
SR渋谷
54.57%


17位
三遠
54.93%


18位
川崎
55.03%


19位
大阪
55.06%


20位
島根
55.50%


21位
京都
55.90%


22位
滋賀
56.26%


23位
富山
57.59%


24位
佐賀
57.65%


25位
秋田
58.22%


26位
横浜BC
58.35%

A東京・名古屋D・千葉Jについてはタフな2Pシュートを打たせることに成功しており、仙台は非効率な3Pシュートを打たせることに成功している。
打たせてはいないものの、名古屋Dと宇都宮のOpp3FG%は驚異的な低さである。
 
4.アグレッシブなディフェンス戦略 OppTOV%


OppTOV%ランキング




リーグ順位
項目
スタッツ




1位
名古屋D
22.33%


2位
長崎
21.85%


3位
京都
20.25%


4位
群馬
19.54%


5位
三遠
19.31%


6位
琉球
18.36%


7位
秋田
18.19%


8位
佐賀
17.93%


9位
大阪
17.80%


10位
仙台
17.78%


11位
越谷
17.74%


12位
滋賀
17.72%


13位
川崎
17.60%


14位
FE名古屋
17.39%


15位
北海道
17.39%


16位
横浜BC
17.19%


17位
宇都宮
17.05%


18位
富山
16.83%


19位
三河
16.13%


20位
茨城
16.08%


21位
島根
15.80%


22位
SR渋谷
15.03%


23位
広島
14.98%


24位
A東京
14.90%


25位
A千葉
14.61%


26位
千葉J
14.11%

1位の名古屋Dを筆頭に、20%近いチームが上位に並ぶ。このチームと対戦した際には、自チームの攻撃が5回に1回はターンオーバーしてしまうことを覚悟しなければならないだろう。

 

まとめ DFFRTG(ディフェンシブレーティング)
 

DFFRTGランキング




リーグ順位
項目
スタッツ




1位
名古屋D
93.07


2位
長崎
98.19


3位
千葉J
105.32


4位
琉球
106.47


5位
宇都宮
106.98


6位
越谷
108.08


7位
群馬
108.48


8位
A東京
109.08


9位
FE名古屋
109.63


10位
仙台
110.00


11位
京都
111.10


12位
島根
111.43


13位
三河
111.76


14位
三遠
111.95


15位
広島
112.12


16位
A千葉
113.14


17位
北海道
113.49


18位
茨城
113.73


19位
大阪
113.99


20位
横浜BC
114.17


21位
佐賀
114.27


22位
滋賀
114.67


23位
川崎
116.63


24位
秋田
117.01


25位
SR渋谷
117.32


26位
富山
118.23

 

今シーズンのDFFRTGランキングを見ると、リーグ勝率上位5チーム中4チームがTOP5にランクインしており、導入で述べた「歴代チャンピオン8チーム全てがディフェンシブレーティングTOP5」という法則が、今シーズンでも色濃く反映されている形となった。

特筆すべきは、1位名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(94.9)と2位長崎ヴェルカ(97.3)の数値だ。まだ1/4シーズン消化の段階とはいえ、この2チームのDFFRTGは歴代で見ても驚異的なレベルにある。名古屋Dは相手のターンオーバーを誘発しながら(OppTOV% 1位)、シュートの質も徹底的に落とす(OppeFG% 2位、Opp3FG% 1位)という完璧に近いディフェンスを展開している。一方の長崎は、基本に忠実なディフェンス(OppeFG% 1位、DRB% 1位)に加え、ターンオーバー誘発力(OppTOV% 2位)も兼ね備えた、極めて完成度の高いディフェンスを構築している。

今シーズンのディフェンストレンド:上位にランクインしているチームの傾向として、3Pシュートをしっかりと守るチームが多い点が挙げられる。現代バスケットボールにおいて3Pシュートの価値が高まる中、ペリメターディフェンスの質がチーム全体の守備力を左右していることが数字にも表れている。そこに、相手のオフェンスをターンオーバーで終わらせる名古屋Dと長崎ヴェルカの2チームが最上位にランクインしている格好だ。

注目チーム – 越谷アルファーズの可能性:個人的な注目は、勝率自体は負け越してしまっているものの、リーグ圧倒的1位のディフェンスリバウンド獲得率(74.0%)を武器にDFFRTG 6位に食い込んでいる越谷アルファーズだ。「相手のシュートを落とさせ、それを確実に回収する」という基本に忠実なディフェンスが機能している証拠である。

ディフェンスは選手個人の好不調に左右されにくく、チーム連携が成熟すればさらに向上する性質を持つ。越谷は現状オフェンス面での課題を抱えているが、堅固なディフェンスを土台として、オフェンス連携が成熟すれば順位を大きく上げてくる可能性は十分にあるだろう。

今後の展望
 

シーズンが進むにつれ、ディフェンス連携はさらに洗練されていく。歴代チャンピオンが証明してきた「ディフェンスこそが優勝への道」という真理を、今シーズンはどのチームが体現するのか。残り3/4のシーズン、各チームのディフェンススタッツの変化に注目していきたい。