国連事務総長、財政危機を警告 7月に運営費枯渇の可能性も

国連のグテレス事務総長。ニューヨークの国連本部で29日撮影。REUTERS/Eduardo Munoz

[ジュネーブ 30日 ロイター] – 国連のグテレス事務総長は加盟国に対し、分担金の未払いなどにより、国連が財政運営を巡る差し迫った危機に直面していると警告した。「危機は深刻化し、事業の実施が脅かされている。財政破綻のリスクが高まり、近い将来さらに悪化するだろう」と指摘。7月までに運営費が不足する可能性があるという。28日付けの書簡をロイターが30日に確認した。

米国は国連機関への拠出金を大幅に削減しており、通常予算と平和維持活動に関する予算への拠出金の支払いを拒否している。トランプ米大統領は国連には「大きな可能性」があるとする一方、役割を十分に果たしていないとの不満も示している。

グテレス氏は書簡で具体的な国の名前は挙げずに「承認された通常予算の大部分を占める分担金を支払わないとの決定が正式に表明された」と記した。

グテレス氏によると、2025年末時点で未払いの金額は15億7000万ドルと過去最高に達した。国連の規則によると、分担金は加盟国の経済規模に応じて決定され、最上位の米国は中核予算の22%を占め、中国が20%で続く。

国連の予算を巡っては、支払った分担金のうち未使用分の数億ドルを毎年加盟国に返還することが規則で定められており、これが財政逼迫に拍車をかける恐れがあるという。グテレス氏は「全ての加盟国が全額を期日通りに支払う義務を果たすか、あるいは加盟国が規則を見直して財政破綻を防ぐかのいずれかが必要だ」と指摘した。

国連は昨年、コスト削減や効率化に向けた改革に着手。加盟国は26年度予算を前年比約7%減の34億5000万ドルとすることで合意した。

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