
パナマ運河のバルボア港。2025年2月1日撮影。REUTERS/Enea Lebrun
[パナマ市/香港 29日 ロイター] – 中米パナマの最高裁判所は29日、香港の長江和記実業(CKハチソン・ホールディングス)(0001.HK), opens new tabの子会社が保有する主要港湾運営契約が憲法に違反するとして無効判断を下した。パナマ運河の港湾運営を巡る先行きが不透明となり、CKハチソンが計画する港湾ターミナル売却に影響を及ぼす可能性がある。
CKハチソン傘下のパナマ・ポーツ・カンパニー(PPC)は、パナマ運河の太平洋側と大西洋側の入口にあるコンテナターミナルを運営する契約を1990年代から締結していた。契約はここ数年、延長されていたが、契約が違憲で、パナマを不利な立場に置いているとの批判が出ていた。
最高裁は、パナマ運河のバルボア、クリストバル両港湾ターミナルの開発・建設・運営・管理を巡って国とPPCが締結した契約について、「広範な審理」の結果、契約の根拠となった法律と措置が憲法違反に当たると判断した。
CKハチソンは、今回のパナマの港湾ターミナルを含め、世界各地の多数の港湾を売却する計画を進めているが、判決を受け、売却計画に支障が出る可能性がある。売却先はブラックロックとメディタレニアン・シッピング(MSC)が主導する企業連合で、売却額は約230億ドル。
PPCは、判決の通知をまだ受け取っていないが、港湾の運営を認めてきた法的枠組みや法律とは矛盾する判決だと考えていると強調した。
「利用可能な情報に基づくと、新たな判決は法的根拠を欠き、PPCおよびその契約のみならず、港湾活動に直接的・間接的に依存する何千ものパナマ人家族の幸福と安定、同国の法の支配と法的確実性を危うくする」とする声明文を発表。約30年、パナマの港湾を運営する中で、インフラと技術に18億ドルを投じてきたともし、国内・国際法廷への提訴を含む「あらゆる権利を恒久的に留保する」と表明した。
中国外務省報道官は30日の定例記者会見で「中国企業の正当な権益を断固として守るため、必要なあらゆる措置を講じる」と述べた。
香港政府も声明で、判決を強く非難。「いかなる外国政府も、国際経済貿易関係において強制的、抑圧的またはその他の不当な手段を用いて香港企業の正当な商業的利益を深刻に損なうことに強く反対する」と主張した。
この判決は、世界的な貿易ルートを巡る米中間の対立が激化する中、世界海運の約5%を担うパナマ運河に対する中国の影響力を抑制しようとしているトランプ米政権にとって勝利と見なされる。
パナマは複数の航路を結ぶコンテナの積み替え拠点。海運各社にとって途切れない港湾運営は極めて重要だ。アナリストは、PPCが仲裁を申し立てる可能性を指摘している。
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