1月30日に今春のセンバツ出場校が発表される。近畿枠では奈良の公立進学校である郡山高が候補校に選出されている。例年、京大・阪大をはじめとした難関大に合格者を出す名門校で、昨秋大会では県大会でベスト4に入るなど活躍を見せた。躍進のウラにはどんな理由があったのだろうか。《NumberWebレポート全3回の1回目/続きを読む》

 豊臣秀吉の弟である秀長もかつて居城した郡山城の一帯は現在、郡山城跡公園として整備されている。天守台からは大和郡山市を望め、春には堀を囲むように植えられた、およそ600本ものソメイヨシノが咲く「日本さくら名所100選」でも知られる。

 郡山高校は郡山城本丸から通りを挟んだ、二の丸があった場所に建つ。

 創立は1893年。古都の息吹を残す伝統校は昨年12月、今年のセンバツに出場する21世紀枠の近畿地区推薦校に選出された。

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「いやもう、『ありがたい』のひと言です」

 同校出身で野球部の監督を務める35歳の岡野雄基はそう感激の声を漏らし、甲子園という可能性を繋いでくれた選手たちを称えるように結ぶ。

「現実を見られる子たちなので『甲子園という舞台で強豪チームと戦える力がどんだけあんの?』と、問われたときに『やらないかんな』となってくれるんで。いい目標を作っていただけただけでも大きなプラスです」

 21世紀枠の選考基準は、秋の都道府県大会で原則ベスト16以上が最低条件となっている。ここをクリアしたうえで、学業と部活動の両立、部員数や練習環境に恵まれないなかでの創意工夫、地域貢献活動などを評価された各地区計9校の候補から、センバツ出場校が2校選ばれる仕組みとなっている。

過去には甲子園出場実績も…最後は四半世紀以上前に

 郡山に「野球の強豪」というイメージを持つオールドファンも多い。

 甲子園には春6回、夏6回の出場実績がある。2000年を最後に出場に恵まれず、岡野が在籍していた06年から08年も全国の舞台に立てていない。

 監督を含め、今の郡山で甲子園を知る者はひとりもいない。だからといって“郡山プライド”が薄れたとは言い難い。

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