
2025年10月、北京で撮影。REUTERS/Tingshu Wang
[香港 19日 ロイター BREAKINGVIEWS] – 既視感が漂う光景だ。2025年の中国GDP(国内総生産)の5%成長達成に輸出と製造業が再び原動力となった。製造業のエンジンがフル回転し続ける限り、当局は経済成長を演出できるかもしれない。しかし、中国の膨大な貿易黒字は関税を巡る緊張に翻弄されている。その一方で、デフレ、小売売上高の低迷、高債務といった国内の不均衡は続いている。
The chart shows China’s actual GDP growth and forecast
昨年の今ごろ、トランプ米大統領の予測不可能な貿易政策に世界が備えていた際、中国政府高官やエコノミストは内需拡大の必要性を説いていた。個人消費が拡大すれば過剰生産能力やデフレ圧力を吸収することができ、理にかなっている。輸出への依存を減らすことで、世界的な景気後退や地政学的リスクにさらされにくい、より持続可能な成長を促進することもできる。
しかし、そうはならなかった。
たしかに中国経済は当初の暗い予想を覆して「5%前後」という公式成長目標を達成した。とはいえ、「魔法」をかけたのはやはり工業生産と海外販売だった。輸出は2024年を6.1%上回り、1兆2000億ドルという記録的な貿易黒字につながった。半面、小売売上高は政治的な掛け声にもかかわらず3.7%増にとどまり、12月の伸び率は0.9%にとどまった。
新築住宅の販売額は1年間でさらに12.6%減少。工場出荷価格もさらに2.6%下落した。また、国際通貨基金(IMF)によると、地方政府債務の対GDP比は19年の62%から24年には約84%に上昇。25年の固定資産投資は前年比3.8%減少した。
経済の再構築はささいな仕事ではなく時間がかかる。中国の場合、製造業の強さが国の経済的活力と国家安全保障に重要な役割を果たしているため仕方がない。製造業は世界第2位の経済大国に成長する原動力となっただけでなく、コロナ禍の景気低迷と昨年の対米関税戦争を乗り切る助けにもなったのだ。例えば、昨年後半に当局が過剰生産能力を取り締まったにもかかわらず、工業生産は5.9%拡大した。
当局は今年も成長の勢いを維持するプレッシャーに迫られており、「悪魔」に従う誘惑は大きいはずだ。こうした中、貿易相手国が中国の大幅な貿易黒字を嫌がっていることもあり、先行きは厳しい。 ロイター調査によると、エコノミストらは今年と来年のGDP伸び率が4.5%まで鈍化すると予想している。
それでも中国指導部は昨年12月、積極的な財政政策によって消費を刺激し、「突出した」不均衡に対処することを約束。共産党機関誌は習近平国家主席の10年間の論評をまとめ、内需拡大が当局にとって戦略的になっているという点を強調した。
さらに10年も無為に過ごせば、バランスが悪すぎて管理できない経済を生み出す危険性がある。
●背景となるニュース
*中国国家統計局が19日発表したデータによると、2025年第4・四半期の中国の国内総生産(GDP)は前年同期比4.5%増となり、内需の軟化に伴い3年ぶりの水準に減速した。通年のGDP伸び率は5.0%と、政府の目標である5%前後を達成したが、貿易摩擦と構造的不均衡が見通しに重大なリスクをもたらしている。
*ロイターが実施した調査によると、中国の経済成長率は2026年に4.5%へと減速し、2027年も同水準にとどまる見通しだ。中国経済の長期的健全性を下支えするため、根深い構造的脆弱性への対応が注目される中、政策当局に多くの景気刺激策を求める圧力が高まっている。
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