ネットワーク関連企業Cloudflareの最高経営責任者(CEO)が、海賊版対策をめぐるイタリア当局の制裁金に反発し、同国からの撤退や、2026年冬季五輪への関与見直しをちらつかせている。

 イタリア政府は1月8日、Cloudflareが海賊版コンテンツへのアクセス遮断を怠ったとして、同社に1420万ユーロ(約26億円)の罰金を科したと発表した。CloudflareのCEOであるMatthew Prince氏はXへの投稿で、この罰金を公に批判。イタリア側の要求に従わないという同社の判断を、検閲をめぐる戦いと位置付けた。Prince氏は、イタリアの「Piracy Shield」に基づく要求に従えば、世界中のコンテンツに影響が及ぶと主張している。

 Piracy Shieldは、イタリアの通信規制当局AGCOMが運用するプログラムで、スポーツイベントの違法配信など、国内での海賊版の防止を目的としている。この仕組みでは、権利者がコンテンツ侵害を自動の迅速対応システムに通報できるようになっている。しかし、ISP(インターネットサービスプロバイダー)が通報内容を精査するには、与えられた30分という猶予が短すぎて、合法的なコンテンツまでブロックされてしまうケースがあると指摘されている。

Yesterday a quasi-judicial body in Italy fined @Cloudflare million for failing to go along with their scheme to censor the Internet. The scheme, which even the EU has called concerning, required us within a mere 30 minutes of notification to fully censor from the Internet any… pic.twitter.com/qZf9UKEAY5

— Matthew Prince (@eastdakota) January 9, 2026

 Prince氏は「言い換えれば、イタリアは得体の知れない欧州のメディア団体が、何をオンラインに載せてよくて何がダメなのかを決めるべきだと主張している」と述べた。

 Prince氏は投稿の中で、疑わしい海賊版トラフィックを30分以内に遮断するようCloudflare求める、イタリア側の要件をとりわけ問題視している。

 「われわれは海賊版の配信を見つけるたびにブロックしている。それらが大嫌いだ」と同氏は書いている。その一方で、「だが、得体の知れない一団が、インターネット上で気に入らないものを、世界中から30分以内に消せと要求できるような仕組みを取り入れるわけにはいかない。そんなことはありえない」と続けた。

 イタリアの海賊版対策ルールを後押ししているのは、自クラブの試合の違法配信を防ぎたいサッカークラブなどだとされている。

 Prince氏はさらに、Cloudflareが取り得る対応策の例として、2026年ミラノ・コルティナ冬季五輪向けのサイバーセキュリティサービスの提供中止、イタリア国内の都市に設置しているCloudflareサーバーの撤去、同国への新たな投資計画の凍結などを挙げた。また、米政府関係者を巻き込む考えも示し、投稿内で米副大統領のJD Vance氏のアカウントをタグ付けしたほか、イタリア首相宛てのメッセージや、イタリア側の対応を伝える記事もリポストしている。

 Cloudflareの広報担当者はコメントの依頼に回答したものの、会社としての正式な声明やコメントは出さなかった。

 冬季五輪はロンバルディア州やイタリア北東部の会場で2月6日~22日に開催予定で、サイバーセキュリティの観点からもデリケートなテーマとみられている。多くの視聴者がVPN技術を利用して大会の中継を視聴する可能性があるからだ。

この記事は海外Ziff Davis発の記事を4Xが日本向けに編集したものです。

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