安全装備や自動運転でますます高額化している現代のクルマ。上手に購入する方法は? さらに、所有してからも様々なトラブルやアクシデントが起きるのがカーライフ。それら障害を難なくこなし、より楽しくお得にクルマと付き合う方法を自動車ジャーナリスト吉川賢一がお伝えします。
2023年3月に欧州理事会で承認された「2035年以降、EU域内で販売される新車はCO2排出ゼロでなければならない」という規則は、BEV(電気自動車)時代の到来を象徴する出来事として世界に大きなインパクトを与えました。
これにより、EUでは2035年モデル以降、内燃機関車の新車販売が実質的に禁止されることが確定したわけですが、ここにきて、そのEUが「内燃機関車禁止」を見直すかのような動きを見せ始めています。BEV一辺倒だったはずの流れに、確かな揺らぎが生じているのです。
■BEVへの全面移行を制度として明確に打ち出していたEU
いわゆる「ユーロ規制」など、かねてより環境政策を重視してきたEU。地球温暖化に直結するとされるCO2排出量に関しても、2009年には新車の平均CO2排出基準を導入するなど、EUは長年にわたり、自動車のCO2排出削減を重要政策として位置づけてきました。
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EUは長年にわたり環境規制を強化してきた。2035年の新車CO2排出ゼロ義務は、その集大成ともいえる決断だった
その集大成となったのが、冒頭で触れた2023年3月の「新車CO2排出ゼロ義務」です。2035年以降、EUで販売されるすべての乗用車とバンに対し、100%の排出削減を義務づけるもので、条文上は「ガソリン車・ディーゼル車を禁止する」と明記されていないものの、事実上BEV以外の選択肢を排除する内容でした。こうしてEUは、BEVへの全面移行を制度として明確に打ち出したのです。
環境規制を世界に先駆けて示すことで、EUが主導権を握る。そんな自信も、この決断を後押したことでしょう。また当時はBEVの販売も数字の上では堅調で、政策と市場の方向性は一致しているようにもみえました。
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