熊本工場の歩留まりは「台湾に負けないレベル」

 熊本第2工場の建設も発表し、2025年10月に熊本県菊陽町と立地協定を締結した。堀田氏は「いろいろな報道はあるが、TSMCの日本におけるプロジェクトは継続的に進行している。現在、建設作業の詳細や実行計画についてパートナー企業と協議しているところだ」と説明した。

廃棄物リサイクル率は95% 「日本初」の回収技術も

 リサイクルにも重点を置いていて、2024年の廃棄物リサイクル率は95%に達したという。これに貢献したのは、廃現像液の回収システム構築だ。現像液に用いられる水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)は毒性が高く水に溶けやすいので、環境への負荷が大きい。TSMC熊本工場では現像液廃水に含まれるTMAHを吸着/回収する技術を導入していて、回収後は半導体製造やその他の産業で再利用できる。これは、日本では初めての導入事例だという。堀田氏は「環境負荷を減らせるうえに、廃水から有価物を回収できる、一石二鳥の取り組みだ」と述べた。

 リサイクル率向上には、これに加えて、廃フッ化水素酸の有効活用も大きな影響があったという。従来、廃フッ化水素酸は中和作業を行ってセメント原料として再利用していたが、JASMはガラスエッチングメーカーと協業し、そのままガラス洗浄用材料として再利用するプロセスを確立した。この方法では材料特性を生かしながら、中和剤も不要となる。

地下水保全でも業界をリード

 堀田氏は「JASMは最高水準の半導体製造を実現し、持続可能な環境と地域社会の発展に貢献する。半導体工場の進出で懸念される問題にも取り組んでいく」とした。

EE Times Japan