「トランプもやっているのだから……中国も台湾を攻撃しよう」 揺れる中国世論


「トランプもやっているのだから……中国も台湾を攻撃しよう」 揺れる中国世論


ニコラス・マドゥロ・ベネズエラ大統領が米軍によって電撃的に拘束され、米国へ移送されたことを受け、中国のネット世論がこの措置を大きく歓迎している点が注目されている。

 5日、中国の交流サイト(SNS)やオンライン上では、「米国が国際法を破ってベネズエラを攻撃したのなら、中国が台湾を侵攻しても大きな問題にはならない」と主張する投稿が拡散し、膨大な閲覧数を記録している。

 前日に公開されたマドゥロ大統領拘束に関する記事の閲覧数は4億回を超えた。「今後、台湾を取り戻す際にも同じ方法を使おう」と提案したコメントは爆発的な支持を集め、一気にベストコメントに浮上した。

 ある中国のネットユーザーは「米国が国際法を真剣に受け止めないのであれば、なぜ我々だけが国際法を気にする必要があるのか」とし、「中国も台湾を攻撃する名分を得た」と主張した。

 米国は3日(現地時間)、電撃的な軍事作戦によってベネズエラの独裁者とされるマドゥロ大統領を拘束し、米国へ移送した。今回の作戦をめぐっては、米国内法および国際法に違反しているかどうかをめぐり、さまざまな見解が対立している。

 トランプ政権の立場は、「犯罪者を逮捕したにすぎない」というものだ。トランプ氏は第1次政権時代の2020年、マドゥロ大統領を「麻薬テロリズム」などの容疑で起訴しており、今回は正当な令状を執行しただけで、「戦争」ではなく、国際法や米国内法にも違反していないと主張している。

 一方、国際法の観点から見ると、国連憲章は他国の主権を侵害する武力の威嚇や行使を禁じている。しかし米軍は今回、ベネズエラ政府の許可を得ないまま戦闘機150機を投入し、軍事基地などを爆撃した上でマドゥロ大統領を拘束した。

 アントニオ・グテーレス国連事務総長は、ステファン・デュジャリック報道官を通じて発表した声明で、米国の攻撃およびマドゥロ大統領拘束が国際法の規範を順守していないと指摘し、懸念を表明した。

 米国の政界でも反応は真っ二つに分かれている。共和党は概ね「正当な作戦だ」として歓迎する姿勢を示しているが、民主党からは「憲法破壊だ」との批判が出ている。

 トランプ大統領が軍事力の行使について議会の承認を求めず、作戦実施前に議会へ十分な通知もしなかったためだ。米国は1973年のベトナム戦争終結後、「戦争権限決議」を制定し、大統領が軍を敵対行為に投入するには、議会の承認または国家非常事態が必要だと定めている。

 これを受け民主党は、「行政府が議会の承認なしに外国で武力を行使したのは違憲だ」と厳しく追及している。一方、共和党は「トランプ大統領の断固とした措置は容認できない事態を打破し、マドゥロを拘束するためのものだ」とし、「有効な司法省の令状を執行した結果だ」と擁護している。

 こうした混乱が米国内外で広がる中、中国の「公式」見解は、「米国によるベネズエラ攻撃は国際法および国際関係の基本規範に違反している」とし、マドゥロ夫妻の釈放を求めるものだ。

 しかし、中国のネット世論はこれとは正反対の様相を見せている。関連ニュースのコメント欄には、「米国も気にしない国際法を、なぜ我々だけが真剣に守る必要があるのか」「中国も台湾を攻撃する名分を得た」といった主張が相次ぎ、多くの「いいね」を集めている。

 あるネットユーザーは、「米国の帝国主義者がマドゥロとその妻を拘束するためにベネズエラを襲撃したことは、わが軍(中国軍)が台湾を奇襲し、台湾独立派の頼清徳・現総統を拘束するための完璧な青写真を提供した」とまで主張した。

 さらに、中国の一部の国際政治専門家からも、トランプ氏によるベネズエラ攻撃が、北京に台湾攻撃の名分を与えかねないとの見方が示され、議論に拍車をかけている。

 ブルームバーグは、中国国内で民族主義的感情が高まっているものの、習近平国家主席が台湾政策を直ちに変更する可能性は低いと分析した。ただし、今回の拘束作戦が、中国が軍事的圧力を強める余地を与える可能性があるとも指摘している。

 米シンクタンク、ブルッキングス研究所のライアン・ハス上級研究員は、「今回の件を通じ、中国は、米国が自らに認めている国際法上の例外的権限を、中国にも認めるよう、非公式に米国へ強調するだろう」と分析した。

 また、米アジア・ソサエティ政策研究所のライル・モリス上級研究員は、「米国に対する国際社会の反発が限定的であれば、習主席が台湾への軍事行動を検討する余地が生じるという見方は、決して誇張ではない」と指摘している。









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