公開日時 2025年12月26日 05:00

フランスの旅いざなう 下里豪志ピアノリサイタル
豊かな演奏で観客を引きつける下里豪志=12月6日、沖縄市民小劇場あしびなー

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琉球新報朝刊

 南風原町出身のピアニスト・下里豪志のリサイタルが6、7日、沖縄市民小劇場あしびなーであった。6日は「フランスの香り」、7日は「イタリアでの日々」をテーマに披露。6日公演では、自身の留学時代の思い出とともに披露した豊かな演奏で、観客をフランスへ連れ出した。
 幕開けを彩ったのはG.フォーレ「舟唄第4番作品44」。優しいピアノの旋律が響き渡り、心地よく穏やかな雰囲気を見事に表現した。柔らかな演奏が特徴的なドビュッシーの「アラベスク第1番」では、ピアノが歌うような、なめらかな音色で会場を包み込んだ。
 演奏の合間に、下里が作曲家や曲について、楽しそうに紹介する姿からは音楽を心から愛する様子が伝わる。曲紹介があることで理解が深まり、聞きなじみのない曲も聞き入ることができた。
 後半は「愛するワルツ集」と題し、ワルツを続けて披露した。下里が「パリの街並みを見ると聞きたくなる1曲」と紹介したのは、サティ「ジュ・トゥ・ブ」。思わず踊り出したくなるようなかわいらしいメロディーで観客を楽しませた。
 ラストはラヴェルの「ラ・ヴァルス」で締めくくった。重低音から始まるミステリアスな音色が会場を包んだかと思えば、音色は徐々にきらびやかになる。一つの物語を見ているかのようなメロディーは聞き応えがあった。
 2017年から25年夏までの長い留学生活を終え、沖縄に戻ってきた下里。「人生は前に行くしかない。私を通していろいろな音楽を楽しんでほしい」と語る姿には、今後のさらなる向上への熱い思いと、希望がみなぎっていた。(與那原采恵)