SNSなどインターネットでの
誹謗(ひぼう)
中傷を防止する兵庫県条例は、12月議会で可決、成立した。1月1日から施行される。人権侵害しないことを「県民の責務」とし、差別的な投稿に対しては知事が被害者に代わってSNSの運営業者らに削除要請するとしている。県は今後、若者を中心に条例の周知を図っていく。(梅本寛之)
ネットでの誹謗中傷を防止する兵庫県の条例のポイント
昨年11月の知事選では、斎藤元彦知事に関する内部告発問題を調査した県議会百条委員会のメンバーらをSNSで中傷する投稿が相次いだ。再選後、斎藤知事は中傷の防止に向けた条例制定に意欲を示し、県が設置した有識者会議で議論を重ね、今年8月に条例案を公表していた。
条例では、県民の責務として「人権侵害は許されないとの認識を深め、防止に協力するよう努めなければならない」と規定。県が人権に関する啓発を進め、被害者の相談や支援に応じるとし、事業者にも協力を求めた。ただ、憲法上の「表現の自由」に対する配慮もあり、罰則規定は設けなかった。
SNSの投稿などで人権侵害を受けた人から申し出があった場合、知事が代わって削除を要請する。対象は人種や民族、性別、障害、疾病、性自認などを理由とした差別的な内容の投稿に限定。斎藤知事に関する内部告発問題を巡り、知事選で拡散された特定の県議を「黒幕」と中傷した投稿などは対象にならない。
県によると、8~9月に行ったパブリックコメント(意見公募)では、347件の意見が寄せられた。「氏名の公表を盛り込むべき」(23件)や「罰則を設けてほしい」(22件)など中傷した投稿者の処罰を求める意見のほか、知事からの削除要請の基準について「透明性を確保し、複数の専門家の意見を取り入れるべき」(11件)など、表現の自由への配慮を望む意見もあった。
12月議会では「実効性を担保するには、どのように運用していくかが肝要だ」などの指摘が出た。条例には削除要請の実施状況を毎年度公表することも明記。12月補正予算に関連経費を盛り込み、県職員と大学生が一緒になって県内の高校などに出向き、条例の内容を周知していく取り組みも始める。
県人権推進室の担当者は「SNSの利用率が高い若者に啓発を重ね、ネット上で人権侵害が起きない環境作りに努めていきたい」と話している。
斎藤元彦・兵庫県知事
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