ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.12.22 06:39
韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領が、北朝鮮を対話の場に引き出すために、大韓民国の領土を韓半島(朝鮮半島)全体と規定した憲法第3条の改正を検討すべきだとする一部の主張に対し、「政策は現実に基づかなければならない」という趣旨の否定的な立場を示したことが分かった。政府独自の対北朝鮮制裁である「5・24措置」の解除についても、「すでに効力が失われているのであれば、今さら解除を宣言してどのような実益があるのか」という趣旨で問い返したという。
21日、複数の消息筋によると、19日に政府ソウル庁舎で開かれた統一部・外交部の業務報告の非公開討議の場で、統一部のある当局者が、「大韓民国の領土は韓半島およびその付属島しょとする」と規定した憲法第3条の改正が必要だとする専門家たちの見解を伝えた。「憲法第3条に関連した『二国家論』に対する我々の立場整理が、我々の戦略的布石を作るだろう」という、文正仁(ムン・ジョンイン)延世(ヨンセ)大学名誉教授の発言(3日の「南北関係元老特別座談会」)を引用しながらだ。
当時、文教授は北朝鮮の「敵対的二国家論」に言及し、南側が吸収統一を図っているという北朝鮮の認識を変え、「平和的二国家論」の最初のボタンを掛けるためには憲法第3条に手を入れる必要があるという趣旨で主張した。「南側が憲法第3条を改正するとすれば、北朝鮮は対話に出てくるだろう」としながらだ。北朝鮮を韓国の一部ではなく、対等な正常国家として認めるべきだという意味にとらえることができる。
これに対して李大統領は「関連する意見は私もよく知っている」としつつも、「しかし、改憲は容易ではない。非常に難しい」という趣旨で答えた。また、「政策は現実に基づかなければならず、理想的なものは夢にすぎない」という指摘も付け加えたという。
改憲そのものが社会的合意を引き出すのが難しい案件であるうえ、南北関係改善のために憲法に手を加えることは、さらに実現可能性が低いというのが、李大統領の認識とみられる。与党関係者は「ただでさえ政権発足初期の争点をのみ込みかねない改憲問題自体、与党レベルでもそうやすやすとは取り上げにくい雰囲気」とし、「ましてや憲法第3条改正は、不必要な理念論争につながる導火線ではないか」と語った。
これについて統一部の高位関係者は、「ある参謀の個人的な意見にすぎず、統一部の公式な主張ではない」と線を引いた。政府もこの案件の敏感性を認識しているということだ。
これに先立って李大統領は2日、民主平和統一諮問会議の発足式で対北朝鮮政策の方向性を明らかにした際にも、平和的二国家論には言及しなかった。平和的二国家論が「政府の立場として確定するだろう」という鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一部長官の予測(10月の国政監査)は外れた格好だが、これも北朝鮮を国家として認める決定が持つ波及力を意識した結果とみられる。
与党の高位関係者は「当時、大統領室レベルで不必要な論争を懸念し、李在明政府の対北朝鮮政策の方向にも最終的には反映しないことを決定したと承知している」と説明した。
統一部による5・24措置解除の必要性提起に対し、李大統領が実益から問いただしたのも、同じ文脈で理解することができる。業務報告の非公開討議で、鄭長官は「もはや実効性のない、死文化された措置」として、解除宣言が必要だと指摘した。2010年、北朝鮮による韓国哨戒艦「天安(チョナン)」爆沈という挑発行為への対応として実施された5・24措置は、南北交易を全面的に禁止し、韓国国民の訪朝も不許可としてきた。
これに対して李大統領は、「すでに実効性を失っているのであれば今さらその解除宣言を今行って得られる実益は何なのか」とし、「北朝鮮側の呼応がなくても、我々が先制的にやるべきことはやる必要があるが、具体的な時期や状況は見極める必要がある」と答えたという。実際、5・24措置が解除されたとしても、南北間の交易や交流は、これより上位概念である国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁によって、その大部分が禁止されている。
趙顯(チョ・ヒョン)外交部長官も、「国際情勢、関係国との関係や立場、何よりも我々の戦略と合わせて考慮するのが望ましい」という意見を出したという。
