フランス各地で、牛の感染症「結節性皮膚炎(ランピースキン病)」をめぐる政府の大量殺処分政策に抗議し、怒れる農家や市民が政府施設に牛糞やごみを撒き散らし、道路を封鎖する抗議行動を続けています。
FRANCE 24によると、フランス南部や南西部では、農家がトラクターで高速道路を封鎖し、地方政府庁舎の前に液体の家畜糞尿やタイヤ、ごみを投棄しました。リモージュやミヨーなどでは、行政機関の建物が標的となり、抗議の象徴として糞尿が撒かれたと報じられています。
抗議の背景には、感染が1頭確認されただけで群れ全体を殺処分するというフランス政府の厳格な対応があります。ル・モンド誌によると、スペイン国境近くの村では、200頭以上の牛が殺処分され、これを阻止しようとした農家と警察が衝突し、催涙ガスが使用される事態となりました。
農家側は「低所得のまま燃料価格は上昇し、規制だけが強まっている」「国民に食料を供給しているのに無視されている」と強い不満を訴えています。BBCの報道では、政府の対応は「強硬で非人道的」だとする声もあり、ワクチン接種を中心とした代替策を求める声が上がっています。
一方、政府は「状況は管理下にある」と強調しています。農業相は、国内で新たな感染例は確認されておらず、すでに100万頭以上にワクチンを接種し、追加で100万頭の接種を進めると説明しました。ロイター誌の報じるところでは、今年確認された感染は113件、殺処分された牛は約3,300頭で、全体の0.02%に過ぎないとしています。
それでも抗議は収束していません。ANEWZによると、農家団体は今後、ブリュッセルにまで抗議を拡大する構えで、牛糞を撒く過激な行動は「警告」だと位置づけています。公正な補償と政策転換がなければ、フランスの農村の生計そのものが危機にさらされ続けると訴えています。
