京都国立博物館(京都府京都市東山区)で、新春特集展示「うまづくし─干支を愛でる─」が12月16日から26年1月25日まで開催されます。この特集展示は毎年京都国立博物館で年末年始の恒例となっている人気企画。2026年の干支「午」にちなんだ多彩な美術作品が展示されます。

また、上記開催期間中、2つの興味深い特集展示「光琳かるたと小西家伝来 尾形光琳関係資料」(26年2月1日まで)「薩摩島津氏と東福寺即宗院」(1月25日まで)も同時開幕します。今回は「うまづくし」とあわせて、これらの概要も紹介します。

新春特集展示「うまづくし─干支を愛でる─」
特集展示「光琳かるたと小西家伝来尾形光琳関係資料」
特集展示「薩摩島津氏と東福寺即宗院」

会場:京都国立博物館 平成知新館
(京都市東山区茶屋町527)

会期:2025年12月16日(火)~2026年1月25日(日)
「光琳かるた」は2月1日(日)まで

開館時間:午前9時30分~午後5時
※金曜は午後8時まで開館
※入館は各閉館の30分前まで

休館日:月曜日、12月29日(月)~2026年1月1日(木・祝)
※ただし、1月12日(月・祝)は開館し、1月13日(火)休館

観覧料:一般700円 大学生350円
※本観覧料で当日の平成知新館の全展示を観覧可能
※高校生以下および満18歳未満、満70歳以上の方は無料
※障害者の方とその介護者1名は無料となります。(障害者手帳等を要提示)
※キャンパスメンバーズ(含教職員)は、学生証または教職員証提示で無料

問い合わせ:TEL 075-525-2473(テレホンサービス)

アクセス:京阪電車七条駅から徒歩約7分、市バス「博物館三十三間堂前」下車すぐ

詳細は、京都国立博物館公式サイトまで。

新春特集展示「うまづくし─干支を愛でる─」

干支が午となる2026年の新春にあわせて開催される本展では、武将たちが憧れたかっこいい馬から、行事やスポーツで活躍する馬、神様にささげられた馬まで、幅広い馬のイメージが一堂に会します。人を乗せて走り、重たい荷物を運んできた頼もしい存在であると同時に、堂々として優雅な姿を持つ馬の姿を、絵画や工芸、装束など多彩な作品を通して味わうことができます。

代表的な出品作として、色鮮やかな釉薬が目を引く重要美術品《三彩馬俑》、華やかな意匠で上賀茂神社の伝統行事、加茂競馬かものくらべうまの情景を表した《賀茂競馬文様小袖》などが挙げられます。勇ましさから愛らしさまで、作品ごとにまったく異なる馬のキャラクターに出会えるのも楽しみの一つです。

ファミリー向け企画としては、小学校高学年から読めるやさしい解説文に加え、小学校低学年から楽しめるワークシートも用意されています。ワークシートを片手に、展示室にいる馬を探しながら、親子で自然と馬の文化と歴史に親しめる内容になっています。

賀茂競馬文様小袖 京都国立博物館蔵
重要美術品 三彩馬俑 京都国立博物館蔵
楊妃撃丸図(部分) 京都国立博物館蔵
馬 奈良県出土 京都国立博物館蔵
特集展示「薩摩島津氏と東福寺即宗院」

即宗院そくしゅういんは、東福寺の山内に数多く存在する塔頭寺院の一つです。島津氏久しまづうじひさ(1328~87)の菩提を弔うため、剛中玄柔ごうちゅうげんじゅう(東福寺54世)を開基にむかえ、嘉慶元年(1387)に創建されたといい、以後、島津氏の菩提寺として歳月を重ねました。その歴史を語る文化財の多くは、明治維新後の混乱期に寺外に流出しましたが、令和4年度(2022年度)にその一部の古文書と工芸品が京都国立博物館に寄贈されました。今回の特集展示では、およそ150年ぶりの奇跡の出現を記念し、古文書を中心にこれらの一部が紹介されます。

薩摩島津氏と京都・東福寺を結ぶ歴史の糸が、書状や文書、工芸品から立ち上がります。近世の京都と薩摩がどのように結びついていたのか、また菩提寺としての即宗院がどのように支えられてきたのかを知る手がかりとなる展示です。

沼津承正書状(折紙、仲夏廿九日付) 東福寺即宗院(薩摩島津氏菩提寺)関係文書のうち 京都国立博物館蔵
特集展示「光琳かるたと小西家伝来尾形光琳関係資料」
重要文化財 百人一首画稿(小西家伝来尾形光琳関係資料のうち) 尾形光琳筆 京都国立博物館

京都国立博物館には「小西家伝来尾形光琳関係資料」と呼ばれる資料群が所蔵されています。これは、尾形光琳(1658~1716)の子、寿市郎が養子に入った小西家に伝来したもので、光琳の生家である呉服商雁金屋に関わる文書のほか、光琳の画稿や図案類も多数含まれており、公私にわたる光琳の情報を知ることができる、きわめて貴重な資料群です。

この度、光琳が手掛けた小倉百人一首かるたとして名高い「小倉百人一首歌留多」が新たに京都国立博物館の寄託となったことを機に、この光琳かるたと、その画稿を含む光琳関係資料をあわせて展示し、光琳芸術の基層とも言うべきこれらの資料の魅力と重要性が紹介されます。

琳派を代表する絵師・尾形光琳の仕事を、画稿や図案とともに立体的にたどることができる展覧会です。百人一首かるたの優美な図様と、そこへ至る制作のプロセスに触れられるのも大きな魅力と言えるでしょう。

小倉百人一首歌留多 尾形光琳筆

ちなみに、京都国立博物館公式キャラクター・トラりんのもとである尾形光琳筆「竹虎図」(京都国立博物館)もあわせて展示されます。

竹虎図 尾形光琳筆 京都国立博物館蔵

干支・午(馬)にちなんだ新春特集展示「うまづくし─干支を愛でる─」では、勇ましい軍馬から愛らしい神馬まで、さまざまな馬の姿を楽しみながら、新年の幕開けを寿ぐひとときを過ごすことができます。家族で楽しめるワークシートや易しい解説も用意されているので、博物館デビューにもぴったりです。あわせて、薩摩島津氏ゆかりの寺院・東福寺即宗院に伝わる古文書や、尾形光琳の「小西家伝来尾形光琳関係資料」と「小倉百人一首歌留多」を紹介する特集展示も巡れば、京都の歴史と美術を多角的に味わえる新春の一日になりそうです。新年の開館は例年通り1月2日から。観光や初詣とあわせて、ぜひ新春の京博に足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。(美術展ナビ)