ラーメンを通じて放置竹林の拡大抑止に貢献しようと、京都府内外で20店舗以上を展開するラーメンチェーン「キラメキノ未来」(京都市伏見区、久保田雅彦社長)は、高さ2メートルほどの「幼竹」を買い取ってメンマに加工するプロジェクトに力を入れている。これまで手作りしたメンマは約2トン。タケノコの名産地・京都で、地域課題の解決に一役買っている。(東大貴)

 同社は2013年に河原町丸太町で1号店「キラメキノトリ」を構え、現在は府内を中心に大阪、奈良、滋賀に出店。鶏
白湯(パイタン)
ラーメンやまぜそばが人気で、11月には中国・上海に初の海外出店を果たした。

京都産メンマを使ったラーメン(キラメキノ未来提供)京都産メンマを使ったラーメン(キラメキノ未来提供)

 メンマはラーメンの具材として用いられるが、近年は安価な外国産が出回り、国産の需要が落ち込む。管理者の高齢化と後継者難などで手入れが行き届かず、放置される竹林も増えているという。こうして伸びた竹が乱立すると、地表に光が差し込まず他の植物の成長を妨げてしまう。竹が地下深くにまで根を張らない植物であることから地盤は安定せず、土砂災害のリスクも高まる。

「ラーメンを通じて地域や人とのつながりを生み、食が持つ社会的な価値を広げたい」と話す久保田社長「ラーメンを通じて地域や人とのつながりを生み、食が持つ社会的な価値を広げたい」と話す久保田社長

 久保田社長は、こうした課題に向き合う地元有志に出会ったことを機に、23年夏に「京都産メンマプロジェクト」をスタート。メンマの手作りは既製品の仕入れに比べて3倍ほどのコストがかかるというが、「資源を有効活用し、地域貢献につなげたい」と語る。

 タケノコの収穫シーズンは3~4月。時期が過ぎると風味や食感が落ちるため、農家や竹林管理のボランティアは少し伸びた幼竹を刈り取ってきた。これらは本来、廃棄の対象だが、プロジェクトでは買い取って加工。竹林はタケノコの名産地として知られる八幡市や西京区などに広がり、昨年は幼竹300~400本から約700キロのメンマを作り、今年は1200キロを仕込んだ。

メンマに加工された幼竹(キラメキノ未来提供)メンマに加工された幼竹(キラメキノ未来提供)

 「外国産にはない歯ごたえの良さ」が売りで、京都や大津市内の計4店舗で提供している。「タケノコに近いシャキシャキとした食感」が好評という。

 今年は昨年の約2倍となる1キロあたり1000円で買い取った。「刈り取りも負担が大きく、持続可能性をもって取り組んでいきたい」と久保田社長。今年は府立八幡支援学校(八幡市)や京都芸術大学(京都市左京区)の生徒や学生も加わり、取り組みは若者の社会参画の一助にもなっている。「数や量ではなく、活動の質にこだわり、関わる人を増やしたい。ラーメン屋にしかできない社会貢献を考えていく」。プロジェクトは来年以降も続ける計画だ。

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