トヨクモクラウドコネクトは12月12日、福岡県須恵町と共同で実施した「申請補助AI」の実証実験結果をまとめたレポートを公開した。

 同レポートでは、申請補助AIが実際の給付金申請データを用いて、行政実務の観点からどの程度の精度で自動化が可能であるかを検証した。AIが担う領域は、最終判断ではなく、一次審査に至る前の事前審査の段階であるが、実運用において明確な効果が期待できることが判明したとしている。

 具体的には、実証実験において申請補助AIが自動で実施した441件の本人確認事前審査について、人間が全件を事後確認した結果、431件が「問題なし」と判断された。この結果は、AIによる事前審査が実務レベルで十分に活用できる精度に達していることを示している。さらに、口座確認の事前審査においては精度が向上し、441件中434件が「問題なし」と判断された。

 一方、AIの事前審査と人の確認が一致しなかった10件については、さらなる精度向上のための開発が必要とされる。ただし、トヨクモクラウドコネクトによると、同サービスは必ず人による最終審査を前提としているため、AIの判断だけで誤った給付が行われる懸念はないという。

 同社は、今回の結果について、申請補助AIが行政実務における一次審査の前段階として、情報の精査の役割を十分に担える精度を持つことを示すものだと評価し、人の審査に至る前の事前審査としての有効性が明確に確認されたとしている。

 従来の運用では、開庁時間外に行われた申請は翌開庁日まで滞留し、審査開始が遅れることが避けられなかった。これに対し、申請補助AIは受付直後から即時に事前審査を実行し、不備があればその場で申請者に通知する仕組みとなっている。

 その結果、夜間に申請された案件は翌朝にはすでに不備が修正された状態で職員に引き継がれるため、行政運営における大きな時間的ロスを解消することが期待される。トヨクモクラウドコネクトは、これにより、住民にとってはいつ申請してもすぐに動く行政、職員にとっては出勤時には前日の申請が処理可能な状態という、新しい運営モデルが実現すると述べている。

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