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Reuters
掲載日
2025年12月11日
プラダは、インドの伝統的な履物に着想を得たサンダルの限定コレクションを現地で製作し、1足約800ユーロ(930ドル)で販売すると、同社上級幹部のロレンツォ・ベルテッリ氏がロイターに語った。文化的盗用をめぐる反発を、インドの職人との協業へと転じる取り組みだ。
プラダのランウェイに登場したコールハプリー・チャッパル – ©Launchmetrics/spotlight
イタリアのラグジュアリーグループである同社は、マハラシュトラ州とカルナータカ州の政府系2機関との合意に基づき、両州でサンダル2,000足を製造する計画で、インドの職人技とイタリアの技術・ノウハウを融合させる。
「元の製造者が持つ標準的な能力に、当社の製造技術を組み合わせます」と、最高マーケティング責任者(CMO)兼CSR担当のベルテッリ氏はロイターのインタビューで語った。同社によると、このコレクションは2026年2月に、世界のプラダ40店舗およびオンラインで発売される。プラダは半年前、ミラノのショーで12世紀にさかのぼるインドの履物「コールハプリー・チャッパル」に似たサンダルを披露して批判を浴び、写真が拡散してインドの職人や政治家の反発を招いた。同社はその後、デザインが古代インドのスタイルに基づいていることを認め、職人団体との協業に向けた協議を開始した。
同社はこのほど、インドの皮革遺産を振興するSant Rohidas Leather Industries and Charmakar Development Corporation(LIDCOM)およびDr Babu Jagjivan Ram Leather Industries Development Corporation(LIDKAR)と合意書に署名した。
「このチャッパルへの認知を何倍にも高める存在になりたい」と、プラダ創業者ミウッチャ・プラダ氏とパトリツィオ・ベルテッリ氏の長男であるベルテッリ氏は語った。
詳細は最終調整中だが、現地職人の育成を目的とした3年間のパートナーシップを設ける予定だ。この取り組みには、インドでのトレーニングプログラムに加え、イタリアのプラダ・アカデミーでの短期研修の機会も含まれる。
チャッパルはマハラシュトラ州とカルナータカ州が発祥で、社会的に周縁化されたコミュニティの人々によって手作業で作られてきた。職人たちは、この協業によって収入の向上や若い世代の呼び込みが進み、安価な模倣品や需要低下によって脅かされている遺産の保護につながることを期待している。
「プラダがこの工芸をラグジュアリー製品として認めれば、ドミノ効果が働き、この工芸の需要増につながるはずです」と、LIDCOMのプレルナ・デシュブラター マネージングディレクターは述べた。
ベルテッリ氏は、このプロジェクトおよびトレーニングプログラムには「数百万ユーロ」の費用がかかり、職人には公正な報酬が支払われると付け加えた。
またベルテッリ氏によると、今年デリーに初のビューティーストアをオープンしたプラダは、来年に新たな衣料品の小売店を出す予定も、インドに工場を設ける計画もないという。「インドでの新規出店はまだ計画していませんが、強く検討しているところです」と述べ、これが3〜5年のうちに実現する可能性があると付け加えた。
デロイトによれば、インドの高級品市場は2024年に約70億ドルと評価され、経済成長が今年7%に加速し、中間層および富裕層の可処分所得が増加するなか、2030年には約300億ドルに達すると見込まれている。ただし、市場規模は中国には及ばず、ベインによると中国は2024年に約3,500億元(約495億6,000万ドル)を生み出した。
多くのグローバルブランドは、ムケシュ・アンバニ氏のリライアンス・グループやクマール・マンガラム・ビルラ氏のアディティヤ・ビルラ・グループといった大手コングロマリットとの提携を通じてインドに参入している。ベルテッリ氏は、プラダはたとえ時間がかかっても単独での参入を望むとし、インドを「真に有望な新市場」と位置づけた。
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