2023年のソールドアウト公演に続き、反田恭平が再びトロントへ。今回のリサイタルでは、ブラームスとショパンという“重厚と激情”の二大柱で聴衆を魅了した。

冒頭では、ブゾーニ編曲によるブラームス《11のコラール前奏曲》から第8曲「エス・イスト・アイン・ロス・エンスプルンゲン」を静謐に奏で、コンサート全体の物語をそっと開いた。


続いて、若きブラームスが20代で書き上げた大作《ピアノソナタ第3番 ヘ短調》。ロマン派の情熱と精緻な構築美が共存する名曲で、会場に深い余韻を残した。

後半では、後半は、ショパンの《4つのスケルツォ》という名曲揃い。第1番の緊張感、第2番の抒情、第3番の煌めく技巧、そして第4番の透明感、ショパンの表現の幅を豊かなに響かせ、聴衆を完全に引き込んだ。

2021年にショパン国際ピアノコンクールで日本人として51年ぶりとなる2位入賞を果たしたことでも知られる反田氏。“世界水準”の呼び声を裏切らない、圧巻の夜。反田氏が、クラシック音楽の魅力をトロントの地に確かに刻んだ舞台だった。