2万人が集う「アートブックの祭典」
アジア最大級のアートブックフェアとして知られる「TOKYO ART BOOK FAIR」、通称TABF。初回の2009年は約4千人、そして昨年は2万人超が参加するなど、近年めざましい盛り上がりを見せている。出展者と来場者の増加を受けて規模を拡大し、今年は初の試みとして2週にわたっての開催となる。各週約280組、合計約560組の出展者による独創的なアートブックが一堂に集結する、まさに「アートブックの祭典」だ。フェアの創設メンバーであり、プロジェクトマネージャーの東直子はこう語る。
「アートブックとの偶然の出会いもTABFの醍醐味ですが、『想像より規模が大きく回りきれなかった』という声もよく耳にします。事前にどんなエリアがあるか、どんな人が出展しているか下調べして来場するのがお薦めです」
お目当てのクリエイターと直に対話できるのが、こうしたフェアの大きな魅力。今年は週ごとに出展者が総入れ替えとなるので、事前のチェックは欠かせない。
「出展者も、『本について話したい』という気持ちが強いので、『素敵な本ですね』『どうつくったんですか?』と気軽に声をかけてみると、会話が広がるはずです」
より深くアートブックの世界を楽しむ仕掛けも用意されている。たとえば、印刷会社や用紙メーカーなどのブースが並び、本づくりの裏側が垣間見える「PRINTER エリア」は世界のフェアでも特徴的だという。アートブックづくりのエキスパートたちが、出展者や来場者の本づくりへの質問に熱く答える姿が例年見られるそうだ。
「半数以上が海外からの出展者というのも、TABFの特色です。実際に、会場ではさまざまな言語が飛び交っています。各ブースに国名を掲示しているので、それが会話のきっかけになればうれしいですし、国ごとの特徴を探すのも楽しいですよ」
TABFの魅力は本を手に取る体験にとどまらない。本にまつわるトークショーやライブ、分野を横断して活動するユニット「エルパック」がキュレーションする飲食エリアも充実。さらに会場を起点に清澄白河の街を自転車で巡る参加型の企画も行われ、街全体がひとつのフェスティバルとして盛り上がる。本を介して人と出会い、街とつながり、新たな視点を持ち帰る。そんな出会いをぜひ楽しんでほしい。
会場に入ってまず目に入るのが、「ENTRANCEエリア」。国内外の人気出版社やアーティストのブースが所狭しと並び、アートブックの魅力を直感的に感じられる空間だ。ここでは気軽に立ち寄って新しい作品集やZINEを手に取ることができる。初めて訪れる人にも安心感があり、まさにTABF全体の雰囲気を象徴する“入り口”といえる。初来場の人はまずここで、魅力的なアートブックと心ゆくまで触れ合うのがお薦めだ。気になる本や出展者を見つけたら、気軽に声をかけてみよう。
