ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.12.05 10:49
◆海外同胞のネットワークが強いアイルランド
アイルランド移民者の影響力も相当大きい。19世紀の大飢饉を迎えながらアイルランド人200万人が海を渡って米国に向かった。現在アイルランドの人口は530万人で、米国に暮らすアイルランド系は3000万人を超える。ジョー・バイデン、ジョン・F・ケネディ大統領らが代表的なアイルランド系だ。アイルランドは70年代、欧州の最貧国だったが、現在は世界で最も良い暮らしをする国の一つになっている。海外に居住するアイルランド系の役割が大きかったという。海外のアイルランド人は自分たちのネットワークを活用して本国と海外市場をつないだ。またアイルランド企業のグローバル進出し、アイルランドの海外企業誘致も支援した。
世界各国には影響力のある韓国系の政治家、企業家、文化・芸術家が少なくない。その存在は単に本国を離れた移民者集団ではない。移民者の影響力と潜在力を連結する「韓民族ネットワーク」をどう活用するかを悩まなければいけない。大きなことから始める必要はない。在外同胞に対する外交部、特に海外公館の基本的な役割がまず重要だ。在外同胞社会と本国をパートナー的な関係として見る姿勢だ。2001年に英国に大使として初めて渡った当時、周囲からは現地同胞社会とは距離を置くべきとの助言が多かった。同胞社会で生じる複雑な問題に巻き込まれるべきではないということだった。しかし外交官、特に海外公館に勤務する大使らは現地同胞の問題に関心を向け、意思疎通をし、実質的に支援をする役割をしなければいけない。海外同胞社会の行事に参加し、最大限に近づこうとする努力が必要だ。
韓国語と韓国文化・歴史に脆弱な若い同胞の教育と育成に対する投資もなければいけない。特に科学分野などで海外の優秀な韓人人材を発掘して誘致することも考えるべきだろう。
在外同胞は過去の悲しい移民の歴史の中に留まっている存在として残してはいけない。移民者は国家の外縁拡張の可能性を立証するもう一つの戦略資産となる可能性があるからだ。2023年、政府は在外同胞庁を発足させた。グローバル韓民族を支援できる行政基盤を用意した。まだ前途は遥か遠い。
羅鍾一(ラ・ジョンイル)/東国大客員教授/元駐日大使
<創刊企画「大韓民国トリガー60」(57)>「漢江の奇跡、九老工団、五輪…その裏には190カ国・700万人のコリアンの力」(1)
