
写真は充電する電気自動車。11月24日、ロンドンで撮影。REUTERS/Corey Rudy
[リトルトン(米コロラド州) 2日 ロイター] – 10月の米電気自動車(EV)販売統計は、連邦政府のEV購入補助が9月末で打ち切られたことを受け、国民の環境自動車に乗り換える流れが逆流し、再びエンジン車への依存度が高まるのではないかとの懸念を引き起こした。
しかしハイブリッド車(HV)への堅調な需要が続いていることは、政府の急速な支援縮小にもかかわらず米国の自動車全体が環境にやさしい方向へと着実に歩んでいけるとの希望を提示している。
1台当たり7500ドルの購入補助が撤廃された以上、電池のみで走る純電気自動車(BEV)の販売は当面低調にとどまる公算が大きく、米国のEVセクター全体から聞こえてくるより多くのさえないニュースが自動車業界のムードを支配しそうだ。
Sales of battery electric & plug-in hybrid vehicles plunged to multi-month lows in October 2025, while hybrid electric sales remained firm
それでも、本来大半が購入補助対象にならなかったHVへの持続的な需要は、米国の消費者が引き続き低炭素排出自動車への関心を維持している証拠と言える。
<大きな構図>
10月の米EV販売統計を一見すると、業界の根深い混乱や、手厚い政府支援がないと電動化の取り組みに対する人々の興味が限られるという絵図が描かれる。
BEVの販売台数は7万5000台弱と9月実績を47%下回り、月間ベースで2023年1月以来の低水準だったことが、アルゴンヌ国立研究所のデータから読み取れる。
BEV sales plunged in October 2025, following the removal of US federal subsidies
プラグインハイブリッド車(PHEV)の販売台数も前月比19%減で、やはり3年ぶりの低水準に近かった。
ただし販売統計をより広い範囲で眺めると、購入補助打ち切り前にBEV、PHEVともに急激な駆け込み購入があり、それに対する反動が加速した状況が見えてくる。
今年1─10月のBEVとPHEV合計の販売台数は過去最高の130万台だった。
Total plug-in EV sales are on track to hit a record in 2025, despite a steep slowdown in sales since September
このうち107万5000台がBEVで前年同期比8%増と過去最高を更新、23万4336台だったPHEVもこの期間で過去2番目の水準に達した。
<本当の物差し>
10月はBEVとPHEVの販売が落ち込んだのと対照的に、充電機能のないHVの販売が前月比6%増の15万9431台と月間ベースで7月以来の高水準で、1─10月のHV販売台数は過去最高の164万台だった。
Sales of hybrid electric vehicles have climbed to record highs in 2025 despite cuts to federal tax credits
この1─10月の実績は、同期間のBEVとPHEVの販売台数合計を25%上回っており、EVのエコシステムにおいて、最も売れ筋の車はHVという構図が盤石になった。
向こう1─2週間のうちに発表される11月のEV販売統計では、BEVがなお低調に推移する公算が大きい。潜在的な購入者や販売業者は、購入補助打ち切りに伴う価格上昇にまだうまく対処できないとみられるからだ。
それは米国のEV市場が一段と縮小し、EVセクターは政府支援なしでは競争力を持てないと解釈されてもおかしくない。
しかし米国における環境にやさしい車に対する需要をより正しく把握する物差しは、HVの購入規模になるだろう。HVはエンジン車と価格差が乏しく、価格重視の消費者に脱炭素の手頃な手段を提供してくれる。
(筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab
筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

