トップニュース台湾の頼清徳総統、米NYTサミットで発言 「力による平和維持」を強調、民主陣営との結束の重要性訴え台湾の頼清徳総統が米紙『ニューヨーク・タイムズ』のインタビューに応じた。(資料写真/蔡親傑撮影)

台湾の頼清徳総統が米紙『ニューヨーク・タイムズ』のインタビューに応じた。(資料写真/蔡親傑撮影)

台湾の頼清徳総統は4日、米紙『ニューヨーク・タイムズ』が主催する「DealBook Summit」に特別招待ゲストとしてオンライン出演し、中国の軍事的脅威、台湾海峡情勢、米台関係、ウクライナ戦争、半導体産業の配置、人工知能(AI)の発展などについて、自身の立場を包括的に述べた。頼氏は、中国による軍事的圧力が高まる中、台湾は「力によって平和を維持」しなければならず、同時に民主陣営との協力を深め、地域の安定を守る必要があると強調した。

頼氏は、中国による対台湾軍事演習が一層頻繁になり、その強度も増しており、第1列島線を越えて第2列島線に進出し、インド太平洋地域に影響を及ぼしていると指摘した。さらに、中国の統一戦線工作や浸透も拡大しているとして、台湾には国防力の強化と国防特別予算の編成が必要だと述べた。

その上で頼氏は、「平和はかけがえのないものであり、戦争に勝者はいない」とした上で、台湾は平和に理想を抱く一方で幻想を持つことは許されず、平和は力によってのみ得られると強調した。政府としては、国防能力の強化、中国への経済依存の低減、民主国家との協力を同時に進め、「備えによって戦争を防ぐ」ことにより、平和を現実のものとすると説明した。

中国人民解放軍が台湾への軍事行動準備を加速させているかとの質問に対しては、「最悪の事態を想定し、最善の準備を進めなければならない」と述べ、中国側のタイムラインがいかなるものであっても、台湾は先に備えを整える必要があるとした。さらに、G7や米国大統領、日本の政治指導者ら国際社会が台湾海峡の平和に強い関心を寄せていることに謝意を示し、こうした共通認識が台湾の安定と地域の平和に大きく貢献していると語った。台湾は今後も国際社会と協力し、ルールに基づく国際秩序を共に守っていきたいと述べた。

米台関係が危機時に機能するかとの問いに対し、頼氏は、米台間に正式な国交はないものの、「台湾関係法」および米国の故レーガン元大統領が示した「6つの保証」によって、長年にわたり協力関係の基礎が築かれてきたと説明した。米国政府と連邦議会は超党派で台湾を支持しており、米台関係は「磐石である」と強調した。

20251126-民進黨主席賴清德26日出席民進黨縣市長提名記者會。(柯承惠攝)

台湾の頼清徳総統が、国際情勢をめぐる諸問題について見解を示した。(資料写真/柯承惠撮影)

ウクライナに対するロシアの侵攻については、「台湾はウクライナ人民と共にある」と述べ、この「非理性的で正当性のない」戦争が一日も早く終結し、ウクライナ国民が苦難から解放されることを願っていると語った。戦争の終結は、ウクライナの国家としての尊厳と国民の福祉を尊重する形でなされなければならず、同時に、その後の紛争再発を防ぐ必要があるとした。

インタビューでは、半導体サプライチェーンの重要性にも言及された。頼氏は、台湾が世界の半導体産業において重要な役割を担っている一方で、台湾の半導体は「台湾だけのものではなく、世界共通の資産」だと指摘した。半導体産業は国際的なエコシステムであり、米国は研究開発と設計、日本は材料と装置、オランダは最先端装置、台湾はロジック半導体の製造、韓国はメモリ分野を担い、いずれも欠かせない存在であると説明した。

台湾としては、TSMCをはじめとする半導体企業が米国、日本、欧州に投資することを支持しており、それが世界の繁栄と技術進歩に資すると述べた。トランプ氏が示した、向こう2~3年で世界の半導体の40~50%を米国内で製造するという目標については、その緊迫感は理解できるとしつつも、実現可能性は米国政府による用地、水資源、電力、人材、投資誘因などの整備にかかっていると指摘した。行政の効率が十分であれば、この目標は達成可能だとの認識を示した。

米国が高性能半導体の対中輸出を制限すべきかとの質問については、米国の内政にコメントする立場にはないとした上で、2000年前後に台湾が先端プロセスの対中展開を検討した際の経験に言及した。当時、台湾社会は先端技術を中国に移転すべきではないとの認識で一致しており、振り返ればそれは正しい判断だったと述べ、「もし当時先端プロセスを中国に移していれば、今日の台湾はなかった」と語った。

AIブームがバブル化する可能性については、技術界と経済界で意見が分かれているとしつつも、国家指導者としては、AIがバブルにならないよう対策を講じなければならないと述べた。各国が協力してAIの「ソフトランディング」を図り、持続的に世界の繁栄に寄与するよう導くべきだと訴えた。

最後に頼氏は、中国経済の現状は芳しくない一方で、台湾の今年の経済成長率は7.37%に達する見通しであるのに対し、中国は4%台にとどまると指摘した。その上で、習近平国家主席に対し、領土拡張ではなく国民生活の改善にこそ注力すべきだと呼びかけ、台湾としても中国と協力し、中国が直面している経済問題の解決に取り組む用意があると語った。

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