中国のフルサービスキャリア「中国国際航空」(エアチャイナ)の機体(手前)。中国のフルサービスキャリア「中国国際航空」(エアチャイナ)の機体(手前)。撮影:樋口隆充

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高市早苗首相の台湾に関する国会答弁を巡り、中国人の訪日旅行キャンセルが相次いでいる問題。

中国外交部が日本への渡航を自粛するよう呼びかけたことに加え、米ブルームバーグは11月25日付の記事で、中国政府が国内の航空会社に2026年3月末まで日本便の運航本数を減便するよう指示したと報じた。日本の空には、実際にどの程度影響が及んでいるのか。

11月27日に発表された成田国際空港の2026年3月期中間決算(4月〜9月)の記者会見で、成田国際空港(NAA)の藤井直樹社長は「現時点で週300便ある中国便のうち減便が判明しているのは1割」と明かした。貨物便の動向には「変化はない」といい、数字だけ見れば、中国側の方針による影響は限定的に見える。

中国の訪日旅行“一斉キャンセル“は観光業に大打撃なのか?長期化懸念も「深刻ではない」理由 | Business Insider Japan

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中間決算を発表した成田空港を運営するNAA。中間決算を発表した成田空港を運営するNAA。撮影:樋口隆充NAA社長「具体的影響はこれから」

中国系の航空会社からの通達について、藤井社長は「いくつかの便について減便をしたい、あるいは小型化をしたいという通知が各社から来ている。多くが12月からというものだ」と説明した。

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減便の規模についても「具体的にどの程度の影響が出るかはこれからとなる。様子を見ながらしっかり分析していきたい」と述べるにとどめた。空港としても予想が難しいのが実情という。

国土交通省出身のNAA藤井社長。国土交通省出身のNAA藤井社長。撮影:樋口隆充

台湾を除く中国からの訪日客に関連する数字を見てみよう。観光庁は「インバウンド消費動向」(2024年版)で訪日観光客の国籍別に、どの空港から入国したのかという割合を公開している。

中国の場合、入国割合最多は関西国際空港の40.3%。成田空港は26%、羽田空港は18.9%だった。同様に香港は最多が成田空港(29.7%)で、関空(28.1%)、福岡空港(13.4%)と続く。香港の場合、羽田空港経由の割合は8.1%にとどまる。

中国と香港からの観光客の空港別入国割合。中国と香港からの観光客の空港別入国割合。観光庁のデータから編集部作成

NAAがまとめた国際線の路線別発着回数(2024年度)では、中国線と香港線の合計は全体の約25.4%(中国:約16.6%、香港:8.75%)。2025年度上期(4〜9月)で見ても、全体の26.1%(中国:約18%、香港:約8%)だ。

スライドショー一覧提供:NAA提供:NAA提供:NAA提供:NAA提供:NAA提供:NAA提供:NAA提供:NAA

成田空港の旅客数はどうか。同じくNAAがまとめた「国際線路線別旅客数」(2024年度)は中国と香港の旅客数は370万7500人(中国:219万7900人、香港:150万9600人)で全体の約24%。直近の2025年度上期も計201万2800人(中国:134万400人、香港:67万2400人)で全体の約25.1%となっている。

スライドショー一覧提供:NAA提供:NAA提供:NAA提供:NAA提供:NAA提供:NAA提供:NAA提供:NAA

藤井社長は「着陸料に影響する」と話すが、12月時点での減便確定分は全体の1割。まだそこまで大きな影響にはなっていない状況だ。決算を担当する佐藤育哉財務部門長は中国政府の方針について「渡航禁止ではなく渡航自粛という点が大きいのではないか」と指摘する。

ただ、前述した通り、成田空港は発着便や旅客数の約4分の1を中国に依存していることもまた事実だ。騒動が長期化し、仮に今後さらに減便数が増えていくことになると、それなりのインパクトが出てくる可能性もある。

撮影:樋口隆充撮影:樋口隆充「みんなで大家さん」投資トラブル、成田空港の運営会社が用地の契約を終了した背景…「遂行能力を確認できず」 | Business Insider Japan

「みんなで大家さん」投資トラブル、成田空港の運営会社が用地の契約を終了した背景…「遂行能力を確認できず」 | Business Insider Japan

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