イングランド銀行(英中央銀行)は、いわゆるベーシス取引による英国債へのリスクの高まりを指摘した。
ベーシス取引はヘッジファンドが好む収益性の高い債券投資戦略で、現物債と対応する先物との価格のわずかな乖離(かいり)から利益を狙う。
中銀は市場参加者に対し、無秩序な取引の巻き戻しを避けるよう、リスクテークを管理することを促した。一斉巻き戻しが英国債市場のボラティリティーを誘発しかねないためだ。
中銀の2日の発表によると、英国債を担保としたレポ取引でのヘッジファンドの純借入額は、11月に約1000億ポンド(約20兆6000億円)に達した。統計開始以来の高水準で、6月時点の推計770億ポンドを上回った。
増加はベーシス取引に関連しており、ポジションの大半は英国外の運用主体によるものだという。特に米系運用会社が手がけるヘッジファンドが全体の約60%を占めている。
中銀は「英国債のレポ市場で少数のファンドが集中してレバレッジの大きい取引を行っていることは、相場急変のリスクを高める。ショック発生時にファンドが同時にレバレッジ解消を迫られる恐れがある」と分析。「歴史的な相関から外れる動きを含め、起こり得るショックを織り込んでポジションを適切にリスク管理する」よう市場参加者に求めた。
大手ヘッジファンドによる国債取引への関与は、ノンバンク金融機関からのリスクを抑制しようとする世界の規制当局の主要議題となっている。レポ市場は、ベーシス取引を含め、さまざまなヘッジファンド戦略にとって重要な資金源だ。
英中銀はこれまでも、英国債市場でヘッジファンドの役割が拡大することで、投げ売りが発生するリスクが高まると警告してきた。
2日のリポートで、英国債レポ市場の一部は不透明であり、規制対応を難しくしているとも指摘した。
BOEは、レバレッジを用いる市場参加者の有用性に触れつつも、「強制的または広範なレバレッジ解消が生じれば、初期の価格変動を増幅させ、さらなる強制売却を招く悪循環を引き起こす可能性がある」と論じた。
原題:BOE Warns of Growing Gilt Risks From Hedge Funds’ Basis Trades(抜粋)
