欧州中央銀行(ECB)政策委員会は10月の会合で、経済見通しの突然の変化に対応を余儀なくされる場合を踏まえ、現行の金利水準が手堅いとの認識を示していたことが議事要旨で明らかになった。
ECBが27日公表した10月29-30日会合の議事要旨によると、ユーロ圏の基本シナリオに狂いを生じさせ得る展開として、インフレに対する上下両方向のリスクが挙げられた。
議事要旨では「現水準で政策金利を維持すれば、リスク要因を見極めるために追加的な情報を待つことが可能になる。現水準の金利は衝撃に対処する上で十分に手堅いとの意見も示された」と説明された。
インフレ率が2%近辺にあり、ユーロ圏経済の回復が進んでいることから、政策委員の大半は金利を現在の2%から変更する必要はないと考えている。投資家も12月の据え置きを見込んでいるが、ECBスタッフが提出する新たな四半期経済予測では、来年のインフレ下振れが示唆される可能性がある。
議事要旨の主な内容は以下の通り。
金利「中期見通しを重視する政策委員会としては、短期的な見通しに過度に注目しないことが重要だった」「12月会合では、リスクの分布と強度に関する評価を更新できる。金融政策がこれらのリスクをどの程度考慮すべきか、またリスクの分布の変化にどの程度対応すべきは、まだ答えが出ていない問題だ」「利下げサイクルは完了したとの見解もあった。現在の良好な見通しは、リスクが顕在化しない限り維持される可能性が高いからだ」「しかし同時に、追加利下げが必要になる可能性を引き続き排除しないことが重要だとの意見も存在した」「金融政策の伝達は引き続き円滑で効果的。これまでの利下げと金融環境の緩和は投資を支え、景気回復に資するはずだ」インフレ「12月会合時までに、最近の衝撃がインフレと経済成長の見通しにどう影響しているかについて新たな重要情報が得られ、2028年を含む初めてのスタッフ予測が明らかになる」「欧州連合(EU)の新たな排出量取引制度(ETS2)導入時期の仮定を見直し、それがインフレ見通しに影響することもあり得るが、基調的なインフレの根本的な要因を引き続き注視することが重要だ」「27年にETS2によるインフレ押し上げ効果が見込まれない場合、インフレ率は26年に目標水準を下回り、持続的な回復はさらに遅れるだろう」経済「ユーロ圏経済は現時点で潜在成長率を下回り、小幅な成長にとどまっているが、従来予想されたよりも底堅い兆しを見せているとの認識が共有された」「実質所得の上昇に伴う個人消費の増加が景気の追い風になると見込まれるものの、消費の伸びは今のところ比較的控えめ」「関税引き上げの影響はすでに一部で見られ、為替レートでそれが顕著だ。ただ、ユーロ圏の輸出や製造業の投資に対する完全な影響は時間が経たないと判明しないだろう」ユーロ「ドルは過去4カ月ほぼ安定しており、ユーロの為替レートのリスクは前回会合時よりもバランスが取れていることがリスクリバーサルから示唆された」
原題:ECB Officials Saw Rate Level as Robust Enough to Manage Shocks(抜粋)
