奈良国立博物館(奈良県奈良市)で、「春日若宮かすがわかみやおん祭の信仰と美術」が12月13日から開催されます。

春日若宮おん祭は、世界文化遺産・春日大社の境内にある春日若宮(若宮神社)の例祭で、平安末期の保延2年(1136年)に始まり今年で890年目を迎えます。本展は、その長い歴史と祭礼の姿、さらに春日大社への信仰に関連する美術を紹介する恒例企画です。

春日大社が有する精緻な技巧を凝らした神宝をはじめ、近年実施された文化財復元の成果も公開します。春日信仰にまつわる多彩な作品を通じ、大和一国を挙げて行われた華麗なおん祭の世界を堪能してみてはいかがでしょうか。

神楽装束・簪 現代(20世紀) 奈良・春日大社

特別陳列「春日若宮おん祭の信仰と美術」

会場:奈良国立博物館 西新館(〒630-8213 奈良市登大路町50番地)

会期:2025年12月13日(土)~2026年1月18日(日)

開館時間:9:30~17:00(12月17日は19:00まで)
※入館は閉館の30分前まで

休館日:月曜日、12月28日(日)~2026年1月1日(木)、1月13日(火)
※ただし1月12日(月・祝)は開館

観覧料:一般700円、大学生350円
※高校生以下および18歳未満、満70歳以上は無料
※障害者手帳・ミライロID所持者(介護者1名含む)は無料。
※12月17日(お渡り式の日)はどなたでも観覧無料。同伴割引あり。

問い合わせ:050-5542-8600(ハローダイヤル)

アクセス:近鉄奈良駅から徒歩約15分
市内循環バス外回り「氷室神社・国立博物館」下車すぐ

詳細は、奈良国立博物館公式サイトまで。

春日若宮おん祭について

毎年12月17日に行われる春日若宮おん祭は、若宮神を「里」にお招きしご奉仕することで、五穀豊穣や世の中の安寧を祈願するお祭りです。900年近く続く日本屈指の格式と伝統を誇り、国の重要無形民俗文化財に指定されています。深夜、若宮神は榊の枝を持つ神職によって何重にも囲まれ、警蹕けいひつの声と雅楽の音色が響くなか、御旅所に向かって遷幸します。

御旅所には松柱に松葉葺きの御仮殿おかりでんが建てられ、そこに遷られた若宮神に向けて神楽や田楽、流鏑馬など様々な神事芸能が一日かけて奉納されます。奉仕者たちはそれぞれ伝統的な衣装をまとい、長い風流行列を作って奈良の町から御旅所に向かいます。これを「お渡り」と呼び、春日若宮おん祭の大きな見どころとなっています。

春日祭礼之図(部分) 江戸時代(19世紀) 奈良・春日大社
展覧会構成
1 春日若宮の誕生

鹿に乗って来臨された春日の神、ほとけの姿で表された若宮の姿など、春日大社の創建や信仰の広がりを示す絵画作品や歴史史料が紹介されます。

春日鹿曼荼羅(平群町福貴春日講関係資料)江戸時代(17~18世紀) 奈良・春日大社
春日社寺曼荼羅 鎌倉時代(13~14世紀) 奈良国立博物館
2 春日若宮古神宝の世界

若宮の神に捧げられた古神宝類と、それらを現代の匠が再現した品々が紹介され、平安時代の最高峰の技術と王朝文化のきらびやかな世界が楽しめます。

国宝 若宮御料古神宝類 銅造狛犬 平安時代(12世紀) 奈良・春日大社
3 春日若宮おん祭

おん祭の様子を伝える絵巻や芸能関係の装束や楽器類を通して、若宮神に捧げられた人々の想いが感じとれます。また、近年生駒郡平群町福貴から春日大社に奉納された「春日鹿曼荼羅」などを通じて、地域に息づく春日信仰の姿も紹介されます。

重要文化財 舞楽面 納曽利 平安時代(12世紀) 奈良・春日大社
春日祭礼之図(部分)江戸時代(19世紀) 奈良・春日大社

およそ900年もの間、古都・奈良で続いてきた「おん祭」を特集した本展は、奈良国立博物館の冬の定番として毎年多くのファンから支持を受けている特別陳列展示です。その一番の魅力は、荘厳と華やぎ、そして地域の信仰が育んだ美の結晶を、原資料や古神宝、復元模造を通して体感できること。展示室に集結した貴重な名品から、夜の「お渡り」に響く雅楽や警蹕の気配、御旅所へ向かう風流行列のうねりなどを、存分に体感してみてはいかがでしょうか。なお、会期中は12月17日の「お渡り式」に合わせて夜間開館(~19:00)も設定されていますので、お見逃しなく。(美術展ナビ)

Share.