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AFP

掲載日

2025年11月21日

10月、スイスの時計輸出は米国が課した39%の関税で再び打撃を受けたが、ベルンとワシントンの間で関税を15%に引き下げる合意案が提示されており、時計メーカーにとって待望の一息つける余地が生まれるはずだ。

ベルンとワシントンの新合意に期待を寄せるスイスブランドベルンとワシントンの新合意に期待を寄せるスイスブランド – Jaeger Lecoultre

木曜日に発表されたスイス時計産業連盟(FH)のデータによれば、9月の55.6%減、8月の23.9%減に続き、10月のスイスの対米輸出は前年同月比でさらに46.8%減となった。

8月、ワシントンはスイスからの輸入品に39%の関税を課し、時計業界に深刻な懸念が広がった。スイス時計の伝統を象徴する「Swiss Made(スイス・メイド)」表示を付すには、同国で製造されていなければならないためだ。

しかし、3度にわたるワシントン訪問を経て、先週末、ギー・パルムラン経済相は関税を15%に引き下げる合意案を携えてベルンに戻った。もっとも、特に時計業界に関しては、なお詰めるべき詳細が残っている。

それ以来、時計メーカーのルイ・エラールのCEO、マニュエル・エムシュ氏のもとには電話が殺到している。米国が売上の約4分の1を占める同ブランドのトップはAFPに対し、24時間も経たないうちに「例外なく、すべての小売業者から注文が入りました」と語った。

同氏はさらに「増産に向け、包括的な生産・物流計画を整える必要があります。いま私たちはクリスマス目前の終盤戦にあり、突発的な需要を満たすために使える時間はごくわずかです」と述べた。同ブランドは少量生産のため、一部の競合他社と違って米国で在庫を積み増せていなかった。

安堵

米国はスイス時計産業にとって最大の海外市場で、輸出の約17%を占める。関税引き上げを見越し、多くの時計メーカーが同国で在庫の積み増しを急いだ結果、対米輸出は4月に149.2%、7月に45%増えた。こうした輸出は、米国の関税引き上げの発表を受けて8月に急減した。

「より懲罰的ではない関税水準に戻ったことに安堵しています。これにより、今後数週間でスイスの対米輸出は大きく改善するでしょう」と、ジュネーブに本社を置くレイモンド・ワイルのCEO、エリー・ベルンハイム氏はAFPに語った。

高級ブランドH.モーザーの責任者であるエドゥアール・メイラン氏は「39%から15%への引き下げは、明らかにプレッシャーを和らげます。ほかの課題が消えるわけではありませんが、呼吸する余地は広がり、この戦略市場をより明確な視点で見られるようになります」と述べた。

監査・コンサルティング会社デロイトは10月初めに公表した調査で、中国の需要低迷、金価格の急騰、スイスフラン高、そして米国の関税が重なるなか、同セクターは現在「近年で最も複雑な時期の一つ」を迎えていると指摘した。

Vontobelのアナリスト、ジャン=フィリップ・ベルチー氏はAFPに対し、今回の関税緩和は時計メーカーとそのサプライヤーに「少しの猶予」を与えるだろうと述べた。ただし「今後数四半期にわたって高い圧力は続き、改善は2026年後半に見込まれる」との見方を示した。

スイス時計産業連盟(FH)によると、10月のスイスの時計輸出は全市場合計で前年同月比4.4%減の22億スイスフラン(23億ユーロ)となった。中国では2カ月連続で回復し、10月は12.6%増。香港でも2.4%増えた一方、日本では5.6%減少した。欧州はまちまちで、英国が7.4%減、フランスが10.8%増、ドイツが3.9%増だった。

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