(CNN) コロンビアはこのほど、「難破船の聖杯」と称される沈没したスペイン軍艦から金貨や銅貨、磁器製の杯のほか、大砲を回収した。
これらの遺物は、スペイン艦隊のガレオン船「サンホセ」号の残骸から初めて回収された財宝。サンホセは1707年にペルーを出港し、翌年、コロンビア沖で英海軍との戦闘によって沈没した。
当時はスペイン継承戦争のさなかで、サンホセ号は中南米の植民地から大量の金、銀、エメラルドをスペイン国王のもとに持ち帰っていた。
財宝は現在の価値で総額数十億ドルに上るとみられ、コロンビア政府と米国を拠点とする海洋サルベージ会社SSAとの間で繰り広げられている激しい法廷闘争の渦中にある。

南米コロンビア・カルタヘナ沖の海底で撮影された18世紀の沈没船「サンホセ」の遺物/Colombia’s Anthropology and History Institute/AP
コロンビアは、2015年に国際的な研究チームの協力を得てサンホセ号を発見したと主張している。一方SSAは1980年代初頭に沈没船を発見したとして常設仲裁裁判所に提訴した。SSAは、財宝の推定価値のおよそ半分に相当する約100億ドルを受け取る権利があると主張している。
コロンビア政府は、財宝の回収は研究プロジェクトの一環であり、18世紀初頭における欧州の経済、社会、政治情勢を知る手がかりとなる可能性があると述べた。同時に、サンホセはコロンビアの文化とアイデンティティーにとっても重要な意味を持つとしている。
コロンビアのカダマニ文化相は20日の声明で、今回の回収は「歴史的な出来事」であり、同国の水中文化遺産の保全能力を示すものだと述べた。
政府によると、水中ロボットを用いて回収された品々は、今後、研究所で長期にわたる保存処理を受け、考古学研究に役立てられる予定。
