オーストラリアの銀行監督当局は、豪金融システムに対する国外からのリスクが高まっており、地政学的な不安定さは今後もしばらく続くとの見通しを示した。

  豪健全性規制庁(APRA)は20日に公表したリポートで、同国は潜在的な衝撃を吸収する体制が整っているものの、金融機関が幅広いシナリオに備えなければ、その耐性は損なわれる可能性があると指摘。APRAは他の規制当局と共に地政学的リスクに特化した取り組みを通じてシステム強化を図っているとした。

  APRAはまた、高水準の家計債務など、住宅市場を中心に国内の脆弱(ぜいじゃく)性の蓄積を注視している。住宅ローンの貸出基準は全体的に健全だとしながらも、特に債務比率の高い投資家による借り入れなど、高リスクローンが増加傾向にある兆候が見られると指摘した。

  今回発表された「システムリスク見通し」リポートは今後年2回の発行が予定されている。APRAが国内外で目にしているリスクについて透明性を高めることが目的。

  APRAのロンズデール長官は声明で、「国際的な政治・経済の不確実性は依然として高く、それがAPRAが地政学的リスクへの注力を強化している理由だ」と述べた。

  リポートには、APRAが今年実施した初のシステムリスク・ストレステストの初期段階の一部結果の概要も含まれている。豪4大銀行と、スーパーアニュエーションと呼ばれる6つの国内年金ファンドが対象となった。こうしたファンドの構造的特徴により、この業界はストレス時に金融システムの重要な安定化装置として機能する一方で、加入者およびシステムへの衝撃の悪影響を増幅させるケースもあり得るとした。

原題:Australia Banking Regulator Warns on Elevated Risks From Abroad(抜粋)