EUは来月の首脳会議で融資承認を、ウクライナ高官「年内最後のチャンス」

写真は17日、訪問先のパリで記者会見するウクライナのゼレンスキー大統領。代表撮影。REUTERS

[ロンドン 19日 ロイター] – ウクライナは、欧州連合(EU)が12月の首脳会議で、凍結ロシア国有資産を活用した1630億ドルの対ウクライナ融資案を承認することに期待を寄せている。米国の金融支援が見込み薄の中、欧州の新たな支援がなければ、ウクライナは来年第1・四半期に資金不足に陥る可能性が指摘される。ウクライナ政府高官はロイターに、EU首脳会議が今年最後の合意のチャンスだと述べた。

EU首脳は先月、ウクライナの「差し迫った資金需要」に今後2年間対応することで合意したが、凍結ロシア資産をウクライナ向け融資に活用する「賠償融資」構想は、ベルギーが懸念を示したため合意できず、12月18日の首脳会議に結論を持ち越した。

ゼレンスキー政権の法律顧問イリナ・ムドラ氏はインタビューで、「その時(12月のEU首脳会議)までに技術的な詳細が全てまとまるとは思っていないが、融資の仕組みは合意されなければならない」と述べた。

ウクライナとしては、欧州の同盟国が資金提供の仕組みとガバナンスを定義することを期待していると述べた。その上で、資金の配分や優先順位の決定にはウクライナが関与することが不可欠だとした。

「ウクライナが直接関与しなければ、援助が効果的でなくなる恐れがある。現地の真のニーズを知っているのはわれわれだからだ。ただ決定はパートナーと共に下されるべきであることは間違いない」と語った。

EU欧州委員会のフォンデアライエン委員長は17日、ウクライナの資金調達ニーズを満たすためには、凍結ロシア資産を活用した融資など3つの選択肢があり、複数の選択肢を組み合わせることも可能との認識を加盟国宛ての書簡で示した。ただウクライナではここにきて現職・元閣僚を巻き込んだエネルギー部門を巡る大規模な汚職問題が影を落とす。政府への信頼が揺らぎ、ゼレンスキー大統領は逆風にさらされている。

ムドラ氏は、この問題へのゼレンスキー氏の対応は迅速で厳格なものだったと説明。EUが支持するウクライナ反汚職機関の独立性が顕著に示されたと指摘し、最終的には司法によって解決されるだろうと述べた。

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