トランプ米大統領は、食料価格の高騰に対応するため、関税の大幅な引き下げと、アルゼンチンとグアテマラ、エルサルバドル、エクアドルとの新たな通商枠組み協定を含む対策を準備している。物価高に対する有権者の不満を和らげる狙いがある。
民主党が先週、候補者らが生活費の負担軽減を訴えた州知事選などを制したことを受け、共和党のトランプ政権が動き出した。13日に発表された中南米各国との通商協定では、米国が牛肉、バナナ、コーヒー豆など一般的な食料品の関税や輸入障壁を引き下げ、米国民を悩ませてきた食料品価格の抑制を図る。
トランプ氏や政権幹部は、食品全般に対する関税免除の拡大も予告。トランプ氏は今週、コーヒーへの関税を「一部引き下げる」とFOXニュースのインタビューで表明し、ベッセント財務長官も果物の輸入に関して優遇措置を示唆した。
国家経済会議(NEC)のハセット委員長は12日、ワシントン経済クラブのイベントでブルームバーグの司会者でカーライル・グループ共同創業者のデービッド・ルーベンスタイン氏との対談の中で、「ここ数日、食品関税の見直しについて議論が起きている」と述べた。
米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は13日、トランプ氏が牛肉やかんきつ類を対象にした相互関税の調整を準備していると報じた。米国内で生産されていない食料品の関税免除対象を特定するよう指示した以前の大統領令を拡大する内容になる見通しだ。
ホワイトハウスのデサイ報道官は声明で、「トランプ政権は、貿易と関税政策において機動的で、緻密かつ多面的な戦略を追求することに取り組んでいる」と説明。関税変更の対象は大統領令で指定された品目と、「西半球の主要な同盟国と締結されつつある通商協定」の双方に基づくものになるとコメントした。

トランプ氏とミレイ氏
Photographer: Stefani Reynolds/Bloomberg
ホワイトハウスが13日出した声明によれば、米国とアルゼンチンは、「2国間の貿易および投資協力」を深めるための合意に達した。
アルゼンチンのミレイ大統領は、国際舞台でトランプ氏の親しい同盟者として自らを位置づけてきた。今回の合意は、アルゼンチンにとって追い風となる。
ホワイトハウスの声明によれば、両国は「主要製品について相互に市場を開放する」ことになる。アルゼンチンは医薬品や化学製品、機械、情報技術製品、医療機器など「米国の製品の輸出に対し、優遇的な市場アクセス」を提供する。
声明は、「米国とアルゼンチンは、署名に向け協定の最終化を迅速に進め、協定の発効に先立ちそれぞれの国内手続きを行う」ともしている。
米国は先月、アルゼンチン・ペソ売りに歯止めをかけるため、アルゼンチン中央銀行と200億ドル(約3兆900億円)規模の通貨スワップライン協定に署名したほか、ペソの直接購入を実施。10月26日に中間選挙を控えたミレイ大統領の政党の支援に動いた。今回の合意はそうした流れを継ぐもので、ミレイ氏にとっても政治的な成果となる。
関連記事:選挙前のアルゼンチンを米支援、200億ドルのスワップ協定に署名 (1)
原題:Trump Readies Tariff Cuts, Trade Deals in Affordability Push、US, Argentina Reach Deal to Open Markets on Key Goods (1) (抜粋)
(トランプ政権の取り組みを追加して更新します)
