
2023年、全国高校サッカー選手権でスタンドに一礼する仙台育英イレブン
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仙台育英高(仙台市)は12日、男子サッカー部で3年生の部員が複数の部員から不適切な言動を受けているなど構造的いじめがあったとして来月開幕の全国高校サッカー選手権の出場を辞退すると発表した。11日に宮城県協会に届け出て受理された。日本協会によると104回目を迎える全国高校選手権で代表校が不祥事によって出場辞退するのは初めて。代替の宮城県代表校は未定で大会実行委員会が今後判断する。
全国屈指の強豪、仙台育英高がサッカー部内の「構造的ないじめ」を認定し、12月開幕の全国高校選手権の出場を辞退した。同校では人権意識を指導する時間を確保することを理由に12月末までサッカー部の対外活動停止。「安全で健全な学園生活を確保することを最優先課題とし、信頼回復に全力を尽くして参ります」との声明を出した。
被害を訴えた3年生部員は23年の1年時から心を傷つけられるような言動を繰り返し受け、24年5月に学校側に被害を訴えた。以降、部活動に参加できていなかった。今年10月に入って被害生徒に再び心理的苦痛が見られたことから、学校は同29日からいじめ防止対策推進法に基づく「いじめ重大事態」として調査を開始。今月2日の県大会決勝(対聖和学園)は調査が完了していなかったとして、被害生徒と家族に説明した上で出場し、2年ぶり38回目の全国出場を決めていた。
調査では3年生53人と当時の指導者に聞き取り調査を実施。結果、一部の生徒だけに限られたいじめ事案ではなく、部全体に「構造的いじめ」が生じていた。遅刻などの部内ルール違反に対する連帯責任での罰則が慣例化し、生徒間の上下関係が固定化。特定の生徒が集団から疎外され、いじりや過剰な注意、強要を受けていたことを確認した。
宮城県協会によると、現時点で代替で宮城県代表校が出場するかどうかは未定。日本協会、全国高校体育連盟などで構成される大会実行委員会で協議されることになる。冬の風物詩として100回を超える高校サッカーの歴史で不祥事による出場辞退は史上初めて。17日に控えた組み合わせ抽選会を前にして、大会側は前代未聞の対応に追われることとなった。
▽仙台育英高 1905年(明38)創立の共学校。全日制の生徒数は3136人(女子1492人)。サッカー部は48年に全国高校選手権に初出場し、37度の出場で最高成績は4強。鹿島のDF千田海人ら10人以上のJリーガーを輩出。OBにはお笑いトリオ・パンサーの尾形貴弘がいる。部員数150人。22年夏の甲子園を制した野球部や陸上部も強豪。仙台市宮城野区宮城野2の4の1。加藤雄彦校長。
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