日本アニメは「インド市場攻略」の切り札

DJブースでは、『クレヨンしんちゃん』のオープニング曲に合わせて横揺れが起きている──これらはすべて2025年9月13~14日にインドの首都ニューデリーでおこなわれた「Mela! Mela! Anime Japan!!(MMAJ)」での光景だ。

同イベントは、在インド日本大使館が主導する「Japan Month」の中核事業で、2025年は前年に続き2回目の開催となった。企画・運営は、大使館員や商社、広告会社といった日系企業の駐在員などから成る実行委員会が担う。

イベントではアニメ映画の上映や、アーティストによるライブパフォーマンス、グッズ販売がおこなわれたほか、人気作品とコラボした自動車やバイクの展示、日本食の屋台、大学による留学情報の発信など、幅広いコンテンツを提供。今年は延べ6万人(昨年比で1万3000人増)が来場するなど、大盛況のうちに終了した。

MMAJが開催された背景には駐在の政府・企業関係者の間に、どうすればインドで日本の文化や製品・サービスのプレゼンスを高められるかという問題意識があったと、MMAJの共同実行委員長・滝俊介は言う。

インドで知名度のある日本企業はごくわずかで、とくに自動車や家電といった主要産業では韓国企業より影が薄い。韓国は官民をあげてインド市場攻略に取り組んでおり、コンテンツを使った広告宣伝活動を大規模に展開しているからだ。

インドで人気のK-POPアイドルのライブや関連イベントの後援には現代自動車やサムスン、LGといった大企業が名を連ね、訪れたファンが韓国製品を自然と好きになるような業種を超えた連携が確立している。こうしたなか、インド市場で日本企業がシェアを拡大するための切り札として浮上したのが、アニメとマンガだった。