中国はネクスペリア製半導体の輸出再開に合意したと、オランダのスホーフ首相が明らかにした。オランダを拠点とするが中国企業の傘下にあるネクスペリアの半導体供給が滞り、世界各地の自動車生産を脅かしていたが、両国の対立が解消に向かう兆しが表れた。
スホーフ氏は「ネクスペリアの中国工場から供給再開が可能になるとの通知を中国から受け取った」と、国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)が開かれているブラジルで、ドイツのメルツ首相と会談した後に発言。
「ドイツの自動車工場にとっても朗報だ。どの程度の速さで供給が再開されるかはまだ分からないが、重要なメッセージだと思う。もちろんメルツ氏もこの知らせを喜んでいた。ドイツにとって重要なことだからだ」と語った。
中国の輸出禁止解除については、複数の自動車関連会社幹部も7日述べていた。また、ネクスペリアを安全保障上の理由で10月に接収したオランダ政府も、中国が同社製半導体の輸出再開を認めれば、接収の裏付けとした大臣命令を一時停止する用意があると事情に詳しい関係者が説明していた。
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アウモビオの最高経営責任者(CEO)を務めるフィリップ・フォンヒルシュハイト氏はインタビューで、今週初めに中国当局からライセンスを取得し、ネクスペリア製の半導体およびそれを組み込んだ部品の輸出を再開したと述べた。
中国商務省は7日にネクスペリア製品全般に対する輸出禁止措置を解除したという。アウモビオのほか複数の自動車関連企業も、ネクスペリアの中国拠点からの出荷再開を確認した。
中国商務省は8日の声明で、オランダに対し中国企業の権益を保護するための具体的措置を取るよう求めるとともに、グローバルな半導体サプライチェーンの安定を回復するための実質的な行動はいまだ取られていないと警告した。
アウモビオはコンチネンタルから最近スピンオフされた自動車部品メーカーで、センサーやブレーキ、運転支援システムなどを製造する。中国に十数カ所の生産拠点を持ち、BMWやフォルクスワーゲン(VW)、ステランティスなど大手自動車メーカーに製品を供給している。
同社はネクスペリア製半導体を中国からハンガリーへ輸出し、そこから欧州各地の工場に納入している。
フォンヒルシュハイト氏は、「全ての手続きや業務過程が正常化するにはしばらく時間がかかるだろう」と述べ、今後4-6週間は混乱が生じる可能性がまだあるとの見方を示した。
同氏の発言が伝わり、ネクスペリアの親会社である聞泰科技(ウィングテック・テクノロジー)の株価は7日の上海市場で、引け間際の数分間に10%近く上昇。欧州の自動車メーカーの株価もおおむね上昇し、フランクフルト市場ではフォルクスワーゲンが1.5%高、BMWが2.2%高で取引を終了した。
ホンダは中国からのネクスペリア半導体の出荷再開について通知を受けたとし、今月21日の週の生産正常化を目指していると、貝原典也副社長が7日に述べた。
ドイツの自動車部品メーカー、ロバート・ボッシュも中国からネクスペリア半導体の供給が再開されていると、事情に詳しい関係者が明らかにした。同社の広報担当者はコメントを控えた。7日朝時点で、自動車用電子部品を製造する同社の複数の工場では、一時的な生産の中断が続いているという。
ただし、状況は依然として不確実だ。別のドイツ自動車部品大手、ZFフリードリヒスハーフェンは生産に影響が出る場合の対策として、従業員の一時帰休を含む措置を検討していると、同社の広報担当者が述べた。
原題:China to Resume Nexperia Chip Exports, Dutch PM Schoof Says (1)、China to Resume Nexperia Chip Exports, Dutch PM Schoof Says (1)、China to Resume Nexperia Chip Exports, Dutch PM Schoof Says (2)(抜粋)
— 取材協力 Jamie Nimmo
(中国商務省の声明を追加して更新します)
