史上3番目の恒星間天体として注目を集める彗星「3I/ATLAS」は、10月末、太陽に最も近づく地点である「近日点」に到達したばかりだ。今後3I/ATLASは太陽系の外へと離れていくことになる。

3I/ATLASはその軌道の性質から、太陽系外から飛来してきたとされている。天文学者たちにとっては、太陽系の外から飛来した物質を直接観測できる、極めて貴重な機会なのだ。これから3I/ATLASは太陽系を離脱するとみられるが、その軌道はすでに科学者たちにより高精度で計算されており、今後の動きについても見通しが立っている。

太陽系を通過する「3IATLAS」の軌道を示したシミュレーション画像。理解を容易にするため、軌道と速度は簡略化されている。

太陽系を通過する「3I/ATLAS」の軌道を示したシミュレーション画像。理解を容易にするため、軌道と速度は簡略化されている。Jorge Garay/Rodrigo Meade/WIRED en Español/Based on data from NASA’s JPL Horizons system.

太陽系を離れゆく“旅人”

3I/ATLASは、2025年12月19日に地球から約2億7,000万kmの距離を通過する見込みだ。これは地球と月の平均距離の約700倍にあたる。天文学者の分析によれば、この数日間、世界各地の高性能望遠鏡で観測が試みられる予定だ。しかし、その距離のため、肉眼で夜空に確認することは不可能だという。

「3I/ATLAS」を追跡する方法

彗星の動きはこれまで非常に安定しており、今後も安定した動きを保ちながら太陽系を通過するとみられている。このため、専門的な観測機材がなくても、誰でもその軌道をリアルタイムで追跡できる。

天文観測サイト「The Sky Live」では、3I/ATLASの現在位置、地球からの距離、近接する星座の情報を随時更新している。また、数週間先の座標予測も掲載されており、観測の準備に役立てることができる。さらに「3Iatlaslive」といったサイトでは、NASAが提供するデータをもとに彗星の軌道を2Dマップで視覚化しており、太陽系を通過するその道筋を直感的に理解できる。

NASAの「Eyes on the Solar System」というプロジェクトの一環として作成されたシミュレーション映像では、3I/ATLASが太陽系を通過する軌跡を追うことができる。サイトは一般公開されており、誰でも無料でアクセス可能だ。現在、米国では政府機関の一部閉鎖が続いているが、このNASAのオンラインツールは通常どおり稼働している。

(Originally published on WIRED Espanol, translated and edited by Mamiko Nakano)

※『WIRED』による宇宙の関連記事はこちら。

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