100万部を超えるベストセラー小説『時の輝き』や『アナトゥール星伝』で知られる、小説家・漫画家の折原みとさん。
20代の頃は中目黒に住み、昼も夜もなく仕事に明け暮れていた。30代で、ずっと憧れていた犬との生活を実現し、逗子へ移住。今は3代目のパートナーとなるゴールデンレトリバーのハルちゃんと暮らしている。仕事のかたわら、防災士の資格を取得したり、横須賀市のアーティスト村事業に参加するなど、地域活動にも積極的。2024年1月に60歳を迎えてからは、Instagram「mito/60代バツなしおひとりさま」やVoicyを始めるなど、とてもアクティブに新しいことにチャレンジしている。
折原さんが2025年新たに開設したインスタグラム「mito/60代バツなしおひとりさま」の発信が話題!
そんな折原さんが、“60代バツなしおひとりさま”としてのリアルを綴る連載『折原みとの「60代おひとりさまの本音」』。第5回では、折原さんの「自立心」の原点ともなった出来事を振り返りながら、バブル時代をどう過ごし、60代となった今、どんなことを感じているのかを綴ります。
20歳の誕生日、初めての花束
生まれて初めて男性から花束をもらったのは、20歳の誕生日のことだった。
その頃、私はまだ漫画家デビュー前。同人誌で漫画を描くかたわら、雑誌でイラストを描く仕事をしていた。
「その人」と出会ったのは、出版社のパーティーか何かだったと思う。
私より20歳近く年上のカメラマン。
パーティーで話をして名刺交換。その後、1度か2度会った程度だったが、誕生日に歳の数の真っ赤な薔薇の花束が届いて驚いた。
「さすが業界のカメラマンは、やることがキザ〜!!」と思ったものだ。
もちろん、初めてもらった花束は嬉しかったが、ひとつ困ったことがあった。
その頃、私は東京で、同じ漫画家志望の友人と一緒に住んでいた。
19歳で茨城の実家から上京した時、同人誌仲間の女の子と同居することにしたのだ。
お金もなかったので、2Kの狭いアパートに2人暮らし。
大きな花束を生ける花瓶も場所もなかったので、せっかくのゴージャスな薔薇は、バケツに入れて、お風呂場に置かれることとなってしまった。
残念すぎる……。(泣)
その時、私は心に誓った!
「いつか絶対、薔薇の花の似合う家に住むんだ!!」……と。
それが、私の「20歳の誓い」だった。
今、その時のことを振り返ると、つくづく「私らしいな」と思う。
何がって、当時の私に、「誰かと結婚してその夢を叶えてもらう」という発想が、1ミリもなかったことだ。
「欲しいものは自分で手に入れる! 自分を幸せにするのは、自分自身!!」
という、「鋼の自立心」は、20歳にして、既に出来上がっていたらしい。
